JHA受賞作品常連カメラマン・松山優介さんが考える「センスのいい人に選ばれるセンス」
自分だけのセンスを持っている人が結果を出していると思う
-撮影をする中で、この人センスがいいなと感じるのはどんなときですか?
僕はヘアのプロではないのでカメラマンとしての意見となりますが……。やっぱりモデルに似合っているときですね。カットやヘアがモデルに似合っている作品はやっぱり写真としてもクオリティが高まります。写真が勝つわけでもなく、ヘアが妙に主張するわけでもなく、気持ちいいところに落ち着くんです。衣装や世界観にしてもどれだけ格好いい衣装や、おしゃれなイメージがでも、それがモデルにはまっていなかったらなんの意味もなさないと思っています。すべての要素の足し引きのバランスが絶妙で、モデル自身が魅力的に見えること。センスがいい作品の条件はそれのみだと思います。
-これまで撮影してきてセンスがいいと感じたり、印象に残っている現場や美容師さんを教えてください。
やっぱり山下さんや根本貴司さん(Double/HEARTS)は、シンプルながら他とは絶対的に違う世界観をつくれる点でいつもすごいなと思っています。『vetica』の内田聡一郎さんも強いヘアカラーかつ、独自の世界観を確立しているのがすごいし、毎回新しい発想が出てくるので一緒にやって楽しい方です。『MuNi』の森ヨシミツさんの、他の要素をそぎ落としてヘアに集中するストイックさも好きですね。あと作品の方向性がまったく違うのですが、『D.C.T』の松木宏紀さんには駆け出しの頃からずっと撮らせてもらっていて、僕の作品世界を広げてくださった1人です。
印象に残っている作品といえば、根本さんとの作品。カメラマンとしては最終的にモデルとそのまわりにある空気感を撮れたらいいなと思っているのですが、僕の中でそれがひとつの形になったのがこの1枚。思い入れがある作品です。