えっ、雑誌のヘアメイクとサロンワークって一緒なの?|Violet前原穂高インタビュー

撮影の打ち合わせは、お客さまのカウンセリングと同じ

 

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-雑誌から、何度もオファーをもらうために、心がけていたことはありますか?

 

『JJ』でヘアメイクを担当させてもらっていた読者の女の子たちを、サロンにきてくださるお客さまと同じだと思っていたので、彼女たちに満足してもらえるように、とは考えていましたね。たとえば、その当時はメイクの中でまつげが重要視されている時代だったので、ビューラーを読者の子たちの好みに合うように5、6種類くらい用意したり、いつも彼女たちが使っているつけまつげを用意したり。彼女たちの中には、ほかの雑誌で撮影をしているいわゆるサロモたちもいたので、そういう子たちが編集部に僕のことを伝え、僕はオファーをもらう。そういった感じでヘアメイクの仕事も広がっていきました。

 

ただ、最初は売り上げが順調に伸びていたんですが、忙しくてサロンに出られないので、そのうちに売り上げが頭打ちになってしまって。それで、ヘアメイクの仕事を受けるのをやめて“ヘア”に集中しようと考えたんです。ヘアメイクの仕事はなんとなく増えていったのですが、そうではなく、着実にヘアの撮影を増やしていくためにできることはなんだろうって。

 

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-ヘアの撮影を増やすために取り組んだことは?

 

Tierraの三笠さん(*3)が「撮影の打ち合わせって、お客さまへのカウンセリングと同じだよ」って言っていたのを聞いて、そうか!って。今までは、読者がお客さまだと思っていたのですが、編集やライターの方々もお客さまなんですよね。

 

たとえばですけど、『最初のカウンセリングでしっかり意向を汲み取る』は、『︎最初の打ち合わせでしっかり意向を汲み取る』と同じだし、『リピートしてもらうために次の提案をする』は、『︎リピートしてもらうために次回の企画を提案する』こと。『︎生涯顧客になってほしいから、嘘をつかない、お客さまのためになる施術をする』のは、『︎ずっと付き合っていきたいから、嘘はつかず、読者のためになるために意見を言う』ことだし、『︎客単価や年間来店回数を増やすために、新しいメニューや提案をする』のは、『︎大きい撮影や撮影の回数を増やすために、今までにない企画を提案する』こと。

 

つまり、サロンにくるお客さまに対して重要なことは、編集、ライターの方々に対しても重要なんですよね。パーマをかけたいっていうお客さまに、傷んでいるから無理だよというのと同じで、編集の方々に嘘をつかず、ページがよりよくなるように努めるのが大切だと思っています。

 

-編集者が前原さんにお仕事をお願いしたくなる理由として、前原さんの提案力の高さがあるのではと、個人的に思っています。私も実際に企画をいただいたこともありますし、打ち合わせのときにいろいろお話しさせていただいて、企画がひっくり返ったこともありますよね(笑)。提案力を高めるためにしていることはありますか?

 

女性誌を毎回、しっかり読むことで、その雑誌のテイストを理解するようにはしていますね。美容師の強みってエンドユーザーに触れていることにあると思うんです。編集の人が考える企画は『読者に読んでほしい企画』になるのですが、美容師はお客さまの声を企画に反映できる。

 

あとは、つねにアンテナを張るようにしていますね。雑誌はもちろん、WEB、インスタグラムもチェックするし、気になるモデルやタレントのブログを見たり、まとめサイトを見たり。とにかく、女の子が見るものを見るようにしているんです。髪型を探すときには、女の子が髪型を探すときと同じようにホットペッパーで探してみる。そうすると、なにかしらの発見が得られるんですよね。そうやって、意識的に女の子の気持ちになってみようと思ったら、ハマってきて、いつの間にか、女子力が高まってきちゃいました(笑)。

 

*3 三笠竜哉氏 Tierraの代表。雑誌やファッションイベントでも活躍中。

 

>ヘアメイクの仕上がりに満足していない時の対処法

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