街の美容室vol.22 江ノ島(神奈川県)

−お客さまの層はどのような感じでしょうか。

 

 

ご近所の方も多いですが、遠くからわざわざ足を運んでくださるお客さまもいらっしゃいます。海に来るついでや、関西のほうから江ノ島観光のついでに、という方もいましたね。年齢層は、30〜40代が多いです。ご家族で通ってくださっているお客さまもいらっしゃいます。

 

江ノ島ののんびりした空気のせいか、新規の方もリラックスされて悩み事を相談しやすいようで、いろいろと語ってくださいます。嫌なことがあったからきたというお客さまもいて、癒しの場として利用していただいているようで、うれしいですね。

 

−お客さまがリラックスされるのは、海沿い特有ののんびりとした空気だけではなく、鵜川さんのお人柄もあるのではないでしょうか。

 

 

そうだとありがたいですね。接客の際は、お客さまの髪の悩みに、しっかり向き合ってケアさせていただいています。自分自身が天然パーマで、美容師を志したのもそのコンプレックスがもとなので、お客さまのお気持ちは、よく理解できるつもりです。はたから見れば悩みがないように見えても、コンプレックスのない方はいないと思っています。

 

髪をカットする際は、表面的なことだけではなく、その方のバックグラウンドから、何を求めていらっしゃるのかを探ることも大切だと思っています。ご出身や、住んでいる場所など、ちょっとした情報だけでも、その人の根っこが見えてくるというか…。いろいろとこちらから質問攻めをするのではなく、語ってくださったことから、少しずつ自然に会話を広げていく、という感じです。

 

−仕事とプライベートの両方とも楽しみながらやっていらっしゃる感じですね。経済的な安定と、やりたいことのバランスを取るのは、なかなかむずかしいことではないでしょうか。

 

 

がむしゃらに働いて失敗をたくさん経験したからこそ、今、ようやく好きなことを、自分のペースでできるようになったのだと思います。

 

若い頃は、青山コンプレックスではないですが、東京の中心部で働いている人たちがうらやましくて、自分と人をくらべてしまったり、売り上げのことばかり考えて接客がおろそかになってしまったり、失敗もたくさんありました。

 

いろいろな逆境を経験したからこそ、しっかりとした基盤が必要だと考え、それを築いた上で、理想的な働き方にめぐり会えたのだと思います。実はこの店舗の他に、鎌倉駅近くにもう1店舗、経営しています。

 

心の余裕がないと、いい接客もできません。お客さまを楽しませるには、自分が楽しむことも大切です。今後も仕事以外にも楽しんで取り組めることを探しながら、美容師を続けていきたいと思います。

 

 

プロフィール
鵜川健一(うかわ けんいち)

福島県出身。工業専門学校でデザインを学んだ後、東京の自動車会社に就職。その後、美容室で働きながら、明日香美容文化専門大学校通信課程で美容師資格を取得。スタイリストとして働いた後、サンタフォンスヘアメイクスクールにてヘアメイクを学ぶ。その後フリーランスのヘアメイクとして活躍。藤沢(神奈川県)に業務委託型美容室の経営を経て、現在は、腰越(神奈川県)に「海と空の美容室」、鎌倉に「nico organic&relaxing」の2店舗を経営している。

 

 

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