街の美容室vol.15 自由が丘 AUQWA
−自由が丘の街の魅力と、客層について教えてください。
自由が丘の街の魅力は、そこに集まる人だと思います。商店街や街の人たちが道に落ちているゴミを拾い合う光景は、自由が丘では珍しいことではありません。街をきれいに保つのが、ごく自然なことなんです。地元愛が強く、みんなで街を盛り上げていこうという気持ちが強いと思います。昔ながらの人情と、新しさが融合している街です。ぼくはここから自転車で少し行ったところに住んでいますが、治安がよく、子育てもしやすいです。
飲食店も個人店が多く、お店の方も親しみやすく、人柄がいい人が多い。そのお店に通うかどうかは、料理の味だけではなく、人の魅力で決まると思います。お店の人とのつながりがつくりやすい、いい意味での田舎っぽさのある街です。
お客さまは地元の方も多いですが、近隣の大田区、目黒区、川崎など神奈川方面からのお客さまも多いです。年齢は20代後半から30代後半くらいまでがコアターゲットです。土地柄、富裕層の方も多いですし、しっかり人生を経験している方、自分をわかっている方が多い印象です。オーダーは、つくり込みすぎない、シンプルでナチュラルなスタイルが多いですね。ぼく自身、もともとナチュラルなスタイルが得意ということもあります。
−自由が丘にある他の美容室の方とのつながりはいかがですか?
自由が丘の街を活性化させるために8つのサロンが集まり、JSS(Jiyugaoka Street Salon)というユニットをつくって活動しています。みんなで街の清掃をしたり、セミナーを開いてお互いの技術を交換し合ったり、外部講師を招いて勉強会をしたり。オーナー自身も学びたいので、異業種の方を招いて経営の勉強会をすることもあります。
共同で「自由が丘シャンプー」というシャンプーをつくってもいます。安心安全な素材を使って、自分たちが本当に使いたいと思うものを本気でつくろうと、1年間かけて開発しました。アミノ酸ベース、ノンシリコンで、ナチュラル志向の自由が丘のマーケットに合うもので、お客さまにもよろこんでいただいています。
JSSでは就職活動をしている方のために、年2回、合同説明会も開催しています。専門学校にチラシを配ってお知らせするのですが、複数のサロンを同時に見られるので、学校側も学生に参加を勧めてくださり、毎年就職の実績を積んでいます。
−よいスタッフを集めるのは、今の時代、大変なことですよね。
美容業界も人材難です。就職してもすぐにやめてしまう人も多く、いかにやめずに続けてもらうかが重要です。
お給料や休暇などの待遇だけでスタッフをつなぎとめるのは限界があります。条件だけのつながりはとても弱いですよね。もっと会社の魅力や、スタッフの人間的な魅力で「この会社で働き続けたい」と思ってもらえるようになりたい。私も含めスタッフみんなが、日頃から自分自身の魅力を高めていく努力をし、それを周囲にいかに伝えていくかも考えなければいけないと思っています。