「私って本当に普通だと思うんです」美容師とヘアメイクで活躍するLysa有紀さんの「普通の美学」
普通だからできるこそ、できること
-その別物の仕事をバランスよく両立させていける秘密は?
「私がヘアメイクアップアーティストとしてお仕事をいただけるのは、メイクもヘアも両方できることが理由のひとつにあると思うんです。頭の丸みに合わせたカットだったり、スピードだったり。日々のサロンワークで得たことが、ヘアメイクアップアーティストの仕事にいかせることは多いですね。
あとは、いつも『私って普通だな』と思うんです。好きなものが本当に普通なんですよね。ものすごいモード系なわけでもないし、極端にガーリーでもない。モードもガーリーもどちらも好きだけど、どちらかに偏っているわけじゃなくて『好き』のストライクゾーンが広いというか。テイストもそうだけど、美容師の仕事も好きだし、ヘアメイクアップアーティストの仕事も好きだし、興味の対象が広いんですよね。つくるスタイルもつくり込みすぎない、ヌケたスタイルが多い。だからこそ、テイストの違う色々な雑誌から声をかけていただけるのだと思います。
サロンモデルさんの中には、髪をやりにくるというよりも、ただおしゃべりをしに来てくれる子もいるんです。私自身が普通だし、接客もフランクだから、彼女たちからも支持してもらえるのかもしれません」
-最後に、これからヘアメイクアップアーティストを目指す読者にメッセージをお願いいたします。
「なんといっても、やりたいという気持ちが一番大事だと思いますね。そして、やりたいという気持ちを口に出すこと。私は毎年、元旦に今年やりたいことを一覧に書き出すんです。昨年のお正月には、『仕事で京都と沖縄と海外に行きたい』『本を出したい』と書いたら、本当にそのどちらも叶っちゃって。とくに本は、今までおつきあいのある出版社からではなく、まったく初めておつきあいする出版社から出すことができたので、ビックリしました。言霊って本当にあると思うんですよね。口に出したり、紙に書いたりして、自分自身に言い聞かせると、それが力になるような気がします。
あとは、自分がいいと思うことをひたすらマネしてみたらいいと思います。私の場合、マネをすることで、自分になにができるのか、自分は何が得意なのかなど、自分の色が見えてきたような気がします」
- プロフィール
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Lysa
代表/高橋有紀(たかはしゆき)
都内サロンでの勤務を経て、2012年に「Lysa」をオープン。サロンワークの傍ら、ヘアメイクアップアーティストとして、雑誌やTV、広告などで芸能人やモデルなどのヘアメイクを担当。2015年には初著書となる『いきなりケタ違いにかわいくなる!!』(ダイヤモンド社)を出版。
(取材・文/QJナビ編集部)