お店が変わってもついてきてくれるお客さまはなぜついてきてくれる?

 

Woman at the hairdresser getting advise

 

昇格のためお店の異動、給与アップのための転職、独立…さまざまな事情で店舗を変える美容師さんがいますが、異動する時にいちばんに考えるのは、お客さまが新しいお店についてきてくれるのか? ということではないでしょうか?

 

『ついてきてくれると思った顧客さまの○割はついてきてくれなかった』

『(転職したら)思った以上に失客した』という声も少なくありません。

 

そこで、長らく同じ美容師さんに施術をしてもらっている二人のお客さまから、

なぜ同じ美容師さんに切ってもらっているのかを調査!

相性や仲がいいからだけではすまない、深層の部分を深く突っ込んで、失客しない方法を探ります。

 


 

まずは、二人のお客さま代表をご紹介

 

Hさん(32歳)

職業:自営業

現在の担当者歴:3年半(一店舗異動を経験)

いつもオーダーするメニュー:カット

来店頻度:1ヵ月半〜2か月に1回

支払い料金:6,000円

 

Rさん(28歳)

職業:アパレル関係

現在の担当者歴:8年(一店舗異動を経験)

いつもオーダーするメニュー:カット+カラー

来店頻度:3ヵ月に1回

支払い料金:20,000円くらい

 

-その美容師さん(サロン)を知ったきっかけは?

 

Hさん(32歳):友人の紹介です。友人がすでにその美容師さんに施術をしてもらったことがあり、カットが上手で、センスが合うと思うと言われて行ってみました。

 

Rさん(28歳):高校生の時、今通っているサロンが一世風靡をしていて、ずっと憧れていました。年数経ってお金に余裕ができた頃に行ってみたら、担当してくれた美容師さんとセンスと気があったので、それからずっと通っています。

 

 

-実際に行ってみてどうでしたか?

 

Hさん(32歳):カットが本当に上手だったのと、こちらが意図してくれることをすぐに汲み取ってくれました。一番の決め手は2ヵ月経ってもスタイルが崩れなかったこと! こんなにモチがよかったのは初めてだったのでビックリしました。また、カット中に他のお客さんへほとんど施術しに行かないので、1時間ちょっとでカットが終わり、予定が立てやすくとても助かります。

 

Rさん(28歳):カラーがとってもうまく、若くてセンスも似ていたので、そのサロンに行くまで2店舗ほどサロンを変えていましたが、そのまま通うことに決めました。長らく通っていると、その人のセンスを信頼しているし、(髪型の)好き嫌いや、やってもらいたいヘアスタイルを言わなくても施術を始めてくれるので、とっても楽です。

 

Female customer showing which hairstyle she wants on mobile phone

 

-異動と聞いた時は、どう思った?

 

Hさん(32歳):サロンが入り口ではなく、人で紹介してもらったので、異動すると聞いた時もすんなり受け入れられました。また、表参道から代官山だったので距離的にも問題なく、特に困惑もしませんでした。

ただ、仲良くしていたアシスンタントさんに会えなくなると思うとさみしい気持ちになりました。

 

Rさん(28歳):一度、配置換えということで近所の店舗へ異動になったのですが、ついていくことが普通だったので、特に気にしませんでした。

 

-今後ついていかないという選択はありますか?

 

Hさん(32歳):今のところは考えていません。

 

Rさん(28歳):30歳手前にして、当たり前のように毎回ブリーチや明るいカラーにされることに違和感を感じています。そろそろ落ち着いた、おしゃれで大人っぽい髪型にしたくて、今サロンを変えようかと思っています。

 

-万が一、担当美容師さんがやむをえない事情で遠方への異動、また美容師を辞めることになったらどうしますか?

 

Hさん(32歳):物理的に距離が遠くなってしまうと通えなくなってしまうので、残念ですがついていかなくなると思います。

その美容師さんが信頼できる美容師さんをご紹介していただきたいです。

 

Rさん(28歳):先ほども応えた通り、今は別のサロンにいくことを考えているので、ちょっとタイミングいいかも…。と思ってしまいます。

 

 

二人にインタビューしているときに、何度も出たキーワードは “楽”。その後のセットが楽であったり、やってもらいたいスタイルを言わなくてもいいのが楽、というのが通い続けている大きな理由だそうです。

何かの手間を省いてあげても、素敵な髪型にしてあげられる人こそ長く顧客さまに愛される秘訣かもしれません。

しかし、同じお店に8年通っているRさんがそろそろお店を変えたい…、と思っているのも事実。お客さまの好みも移ろいでいくもの。長い顧客こそ、着てくるお洋服や、バッグから好みの変化を素早くキャッチするなど、努力は欠かせないようです。そうしたことを乗り越え、強い信頼関係があれば、店舗を異動してもまたついてきてくれるかもしれません。長いからこそいつもと同じ…。ではなく、新しい提案もしてはいかがでしょうか。

 

(取材・文・撮影/高橋 優璃)

 

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