洋服と帽子は私の戦闘服、週2回のサロン通いは戦士の身だしなみです-アパホテル社長/元谷芙美子さん-
独立しなくても「美容室になくてはならない人」になれる
私自身はNo.1を目指したいです。社長になったことで、それまでと違う景色を見ることができたし、こうした取材をお受けできる立場になりました。しかしながら、世の中が社長さんばっかりというわけにはいかないですよね。その会社、美容室に惚れて、社長を支えていく生き方もあるんじゃないかと思います。
もしも私が美容師だったら、「あなたがいるから来たんです」とお客さまに指名をたくさんいただいて、部下にも仕事を教えてあげられるような「なくてはならない人」になりたいです。美容師という職業は、それを可能にする職業だと思います。
私はホテルに携わる人間として、お客さまに夢を提供したいと思っています。きっと同じような気持ちの美容師さんはたくさんいるのではないでしょうか。夢を売るためにも、トップはいつも毅然としているべきだし、優しさも持っていないといけないと思います。
とはいえ私もまだまだで、知性と美貌、教養という3つが足りません。でもそこで諦めてはダメなので、「HIROIN」のみなさんの力をお借りしつつ、理想のリーダーに近づくために頑張り続けたいと思っています。
<プロフィール>
福井県福井市生まれ。福井県立藤島高校卒業後、福井信用金庫に入社。1971年、夫の元谷外志雄が興した信金開発株式会社(現アパ株式会社)の取締役に就任。1994年アパホテル株式会社の取締役社長に就任。会員制やインターネット予約システムをいち早く導入し、全国規模のホテルチェーンへと成長させる。2006年早稲田大学大学院公共経営研究科修士号を取得し、2011年には同博士課程を修了。現在、アパホテル株式会社取締役社長をはじめ、アパグループ11社の取締役、東京国際大学客員教授、日台文化協会理事を務める。2020年、アパホテルネットワークとして全国最大の10万室、アパホテル累積会員数1,800万名を突破。
(取材・文/外山 武史)