美容師が花屋をしたら成功する!? 帽子・ヒゲ・メガネがトレードマークの店主が、美容師に学んだこと
帽子・ヒゲ・メガネはキャラづくりと実用を兼ねて
独立前からキャラクターづくりは大事だと思っていて、お客さまに覚えてもらいやすいように、帽子・ヒゲ・メガネのスタイルでやってきました。ヒゲを伸ばしているのは、年齢よりも若く見られがちだから。丸メガネは僕のキャラクターを伝えるためのもの。そして、帽子をかぶっているのは、朝がラクだし、ケガを避けることができるからです。
花を仕入れるときは、だいたい朝2時半に起きて4時くらいには市場に着くようにしています。だから髪をセットする時間がないんです。また、生け込みをしているときは絶対に髪が乱れるし、枝が頭に刺さることもあるので、帽子が便利。髪がないから帽子で隠していると思っている人もいて、ウェディングの仕事で帽子をかぶらずフォーマルなヘアにしているときに、「髪がちゃんとあるんだね」と言われたこともあります(笑)。
帽子スタイルの僕が髪を切りに行くのは、襟足など目立つ髪の毛が伸びたとき。ヒゲを伸ばしていて、髪もボサボサだとちょっと男臭くなりすぎるし、花を扱う仕事は清潔感が大事だからです。お世話になっているのは、中目黒にあるstandというサロンの名和さん。名和さんはもともとfarverのお客さまだったんですよ。僕の髪質や仕事内容をよく理解している人なので、信頼してお任せしています。
この美容師さん上手いな…と感じる瞬間
名和さんを含めて、「この美容師さんは上手いな…」と感じた人に、お任せで髪を切ってもらってきました。細かいカット技術のことはわからないですが、最初のカウンセリングのときに、髪の癖や流れを説明してから、施術に入られると、自分の髪のことを理解してくれている気がして、安心します。僕も基本的には接客が中心のビジネスをしているので、ファーストコンタクトが重要だと感じています。
あと、美容師さんとお客さまの会話を横で聞いていてすごいなと思うのは、施術にかかる数時間、お客さまを退屈させないコミュニケーション力を持っていること。ファッションやドラマやグルメやいろいろな話題を持っているし、以前話した内容の続きもできる。僕も、お客さまと長いお付き合いをしたいと思っているので、美容師さんの接客スタイルは大いに参考になります。ヘアサロンとフラワーショップは全く違う商売ですが、個人的にはかなり影響されているんですよ。
♦♦♦美容師への応援メッセージ♦♦♦
美容師さんはサロンワークだけではなく、クリエイティブなアートブックの制作にも取り組んでいる人も多いから、心から尊敬しています。自分の作品を、世の中に向けて次々とあげていくことは、常に技術を磨いていないとできないことだと思うからです。美容師さんの努力する姿にいつも刺激を受けています。
- プロフィール
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VOICE
香内 斉(こうない ひとし)さん
福島県出身。大学卒業後、インテリア関係の仕事を経て、farverにてフローリストとしての経験を積む。2017年に独立を果たし、表参道エリアにVOICEをオープン。店舗での販売を基本とし、オーダーメイドでのブーケ・アレンジメントのデザインのほか、ウェディング、ディスプレイの装花もおこなっている。
http://voice-flower.jp
( 取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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