ベトナム戦争をモチーフにしたヘアショーが全ての原点 -特殊メイクアップアーティストと美容師の関係-
次はペイントの世界で一旗揚げたい
映画に固執せず、とにかく外で人と会うことで、世界が広がりました。プロレスのコスチューム制作やファッションショーなどを手伝っているうちに、さまざまなオファーが届くように。おかげさまで、仲間もポツリポツリと増えていき、社員は10名ほどになりました。
美大やメイク学校で特別講師を務めることも増え、2008年からは自分で特殊メイク学校を立ち上げました。後進の指導と経営に仕事が寄りすぎで、アーティスト活動ができないというジレンマも感じていましたが、ここ最近は、自分で創作する余裕も生まれています。
今、力を入れているのはペイント。ギター一本で人を感動させる人ってカッコいいじゃないですか。僕もドーランと筆だけですぐに何かを作る人になりたいんですよね。そう決めてから、Instagramにペイント作品をどんどんアップしています。ボディペイントって欧米ではすごく盛んなので、フォロワーは外国人が多いんですよ。日本だけじゃなくて海外からも仕事の依頼が届くようになったらうれしいですね。
それと並行して、全く違う分野のアーティストさんとのコラボも進めていきたい。最近では明和電機さんと西武渋谷で「マジカル・メカニカル・ファッションショー」っていうのをやりました。また初心に戻ってURとのコラボも実現させたい。川島さんはかなり手強いですけど。なんてったって、モデルさんの頭に築地のタコの足を乗せちゃうような人ですから(笑)。
♦♦♦美容師への応援メッセージ♦♦♦
実はネイルの検定の一級を持っています。特殊メイクだけでは食えなかったので習い始めたのですが、女性100人くらいの中にまぎれて勉強するのが辛かったですね。狼の群れなかに羊が放り込まれたような感じで、小さくなって過ごしていました(笑)。結局、ネイルは商売にはなりませんでしたが、後藤真希さん主演の『指』というドラマで役に立ちました。一生懸命に学んだことは、必ずどこかで生かされるんですよ。
- プロフィール
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JIRO(ジロー)
特殊メイクアップアーティスト
http://www.jiyuro.net/
http://www.xn--eckwa2mr55ouknsze83n.com/
東京芸術大学卒業後、特殊メイクの道に入る。特殊メイク・造形制作に加え、ジュエリーデザインやキャラクターデザイン、 プロレスのコスチュームデザインやステージデザインなど幅広い分野でデザイン業務を展開。特殊メイクスクール、Amazing School JURを設立し、後進を育てている。
( 取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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