あのカリスマの元弟子が紡ぐ波乱万丈な物語
どん底から月9出演、脚本・演出にも挑戦
映画は好きでも演技経験はゼロ。しかも23歳は役者として若くない。なので、事務所に履歴書を送っても音沙汰なし。やむなくフリーター生活を送っていました。鬱々とした気分で部屋に閉じこもっていた時期もありましたね。
そんな調子でしたが、幸運にも面接に呼んでくれる事務所があったんです。採用されなかったんですが、僕を見かねて「まずは舞台俳優のオーディションを受けて、実績を作ったら?」とアドバイスしてくれました。「舞台って何? 劇団四季?」とか最初は全然意味が分かってなかったんですが、いくつかオーディションを受けた結果、舞台に上がるチャンスをつかむことができました。
小さな役からコツコツと。経験を積むうちに事務所も決まりました。月9に出たときは、友人をはじめ、いろんな人からの反響がありました。でも大きな役には巡り合えず、悔しかった。だから自分で作ってみることにしました。
独学で脚本を書いて、それを演出家や俳優に見せて回ったんです。「これどうですか? 面白いですか?」って聞きながら。その行動が評価され「今度劇団を立ち上げるから書いて」などと頼まれるようになりました。そしたら今度は、演出に違和感を抱くように。僕も俳優として出ていますから、演出家の指導に納得できないことがあります。満足できるものを作るために演出も担当するようになりました。