だれも結末を知らないヘアカットという名の即興芸術 -自然光ダンサーと美容師の関係-
一冊の本が、自分の内面を見つめるきっかけに
茂木さんには、素敵なヘアにしていただくだけではなく、その言葉や勧めてくださった書籍から、自分の美や表現を磨くためのアドバイスをいただきました。最初はBoyさんに行って髪を切ることに緊張して、ちょっと背伸びした服装でお邪魔したんです。そしたら茂木さんは、「高須賀さんこの本、読んでみてよ」と一冊の本を勧めてくださいました。それは、ファッションジャーナリストの光野桃さんが書かれたもので、ご本人に似合う服が見つからなくて悩んでいたこと、イタリアに行って流行に左右されず歳を重ねるごとに美しくなるイタリア女性を目の当たりにし、考え方が変わったことなどについて綴られていたんです。
多分、「高須賀さんに似合うのはその服じゃないよ。もっと自分の内面を見つめてみなさい」という、茂木さんの無言のメッセージだったと思うんですよね。ただお金をかけて、着飾るのがいいのではなく、自分の生活や仕事、これからやりたいことなど、全てひっくるめて考えて自分を表現したほうが素敵になれるよと。
茂木さんには、ただ髪を切っていただくだけでなく、生き方の面でも大きな影響を受けていますね。美容師の枠組みを超えて、本気で社会を変えていこうという姿勢にも共感しています。