「え！　あの女優がこの人？」という反応が好き（笑）

昔はカットモデルもしていたんですが、実は「もう絶対にカットモデルはしない！」って決意したできごとがありまして…。

あるとき、街でやさしそうな美容師さんにスカウトされて、小脇に抱えていた作品集を見せてもらうと、私と似たような髪質の人のカットも上手そうだったんですね。だから、お願いしてみたんです。

短めのボブカットだったんですが、仕上がりは上々でした。でも、その美容師さんの上司が出てきて「全然ダメ！　この子の髪質の場合は、こうするんだよっ！」って、すきバサミで、髪を一気にすきはじめたんです。

「あ！この感じ、昔も味わったことある…」と嫌な予感がしたんですが、案の定、大変なことに。しばらくセットが決まらなくて苦労しました。

今はもう、そういう失敗はしていないんですが、女優をしているので役作りのためにあまり奇抜な髪型にできなくなったさみしさはあります。

反対に、この仕事ならではの楽しみもあるんですよ。映画って撮影したあと編集などに時間がかかるので、１年後とか１年半後とかに公開するケースが多いんです。だからその間に、あえて演じた役とは全然違う髪型にしておく。

なぜかというと、試写会などで「え！　あの女優がこの人？」っていうリアクションをされるのが好きだから。ギャップを感じてもらうために、わざわざ自分から仕掛けていくんです（笑）。あんまり冒険できない分、そういうところで新しい髪型を楽しんでいます。

 ♦♦♦ 美容師への応援メッセージ ♦♦♦

美容師さんは私にとって欠かせない「魔法使い」のような存在です。いつもドすっぴんで寝起きの頭に帽子を被せて現場に行っているくらいなので、ヘアメイクをお願いできる人がいないと、私はとても表に出られません！絶対に必要な存在なので、ヘアメイクさんがつかない仕事は、不安すぎてお受けできないくらい、ヘアメイクさんの存在は大きいです。だからこれからも、私の力になってください。

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プロフィール

モデル事務所フライディ 所属／女優・モデル
村上 真希（むらかみ まき）

東京都出身。映画『seesaw』や『すず』の主演女優をはじめとして、舞台、テレビCM、PV、雑誌などさまざまなフィールドで活躍。唯一無二の「伝統産業女優」として、仕事を通じて地方の振興に役立つことを目指している。

HP>http://fridayfarm.net/maki-murakami

 （取材・文／外山  武史　　撮影／菊池 麻美）