数字では示せない自分らしさを大切に――トップを走り続ける人気美容師・井上カナさんが伝えたいこと
SNSや数字には現れない「あなたのいいところ」を大切にして！
今は後輩を教育したり指導したりする立場ではありますが、自分がグイグイ引っ張っていくという意識はまったくないんです。もちろん、お店では「とにかくやらないと前に進めないよ！」と体育会系なアドバイスすることはたくさんあるし、仕事以外に時間を作って後輩のメンタルケアをすることもあります。でも、仕事に対する姿勢はアシスタントもスタイリストもみんな一緒で、「自分にない良いところを認め合う」ことが大事だと考えています。
なので、私は他の人をライバル視したり劣等感を感じたりすることってまったくないんですよね。
よく、「井上さんのポジティブさはどこから来るんですか？」と聞かれますが、もともと気が強いのもあるし、ポジティブじゃないと立っていられない場所なのかなとも思います。美容師って、ヘアスタイルという外見を作る仕事だからこそ、内面が健全じゃないと伝わらないことがあると思うんですよね。どんなにメイクしてもおしゃれしても、ネガティブでいると姿勢も悪くなっちゃうし、それならどんな格好でもピシッと姿勢良く立って歩いている人のほうが素敵じゃないですか。
若手美容師さんに伝えたいのは、とにかく自分らしく生きてほしいということ。SNSの時代になって、数字とか写真とか目に見えるものしか信じられない人が多いのかもしれませんが、数字には現れないあなたの良いところを大切にしてほしいし、その良いところを伸ばせばそれがあなたの個性になるはず。
美容師の本質は目の前のお客さまと向き合うことであって、そこに数字は関係ありません。自信がないのだったら技術を磨けばいいんだから。
技術は裏切らないし、やればやるほど結果が出る。技術には終わりがないから楽しい。今よりこれから先のほうがずっと楽しくなるのが美容人生だと、私は信じています。
- プロフィール
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Liner
attractive designer／井上カナ
千葉県出身。東京文化美容専門学校卒業後、都内の有名サロンに入社。1年目で社内コンテストでグランプリを獲得するなど頭角を現し、3年目でデビュー。ツヤ感と女性らしさを打ち出したスタイルが人気となり、著名人のヘアスタイルを手掛けるなど活躍。現在はLinerの一員として、モード感を取り入れたきれいめなスタイルが支持を集めている。
Instagram：＠kanainou3
（文／須川奈津江 photo／宮崎洋）
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