数字では示せない自分らしさを大切に――トップを走り続ける人気美容師・井上カナさんが伝えたいこと
ショートのレッスンを受け直し、美容師の喜びを改めて実感した
私は、お客さまや、周りの美容師さんにとって、「なんか面白いことしてるな」「想像もしてなかったことをやってるな」と刺激になる存在でいたいんです。それも、サロンを変えてリブランディングを試みた理由の一つでもあります。
会社が変わることへの不安がなかったと言えば嘘になりますが、なんとなく「私は大丈夫」と思えたんですよね。ゼロからリスタートする、という覚悟があったからかもしれません。
Linerに移ってからは、これまで作ってきたスタイルの女性らしさやギャル要素は抑えめに、自立したカッコいい女性像やモード感を打ち出すようになりました。前社の私が好きだったお客さまは、前のサロンに残るはず。なので、もしも本当にお客さまが来てくださらなかったら、また1から作っていくくらいのつもりでいました。
でも実際は、活動の場を移してからも今までのお客さまがたくさん来てくださって。私がリブランディングしたかったように、お客さまも変わりたかったのかなと感じて、今までやってきたことも、今回の決断も、間違っていなかったんだなと思えましたね。
つくるスタイルの変化で言うと、今のサロンに来てからショートカットのレッスンを受け直したんですよ。これまではロングのお客さまが中心で、一番短くてもボブまで。大げさに言うと、ロングとボブは目を閉じていても切れるくらいでしたし、後輩にレッスンする立場にいました。でも、このサロンでは「ショートを教えてください」と願い出て、アシスタントと一緒にレッスンを受けたんです。
たしかに、ショートを切らなくても売り上げは成り立つので必要ないといえばないのかもしれません。でも、お客さまにとってオーダーメイドの美容師でありたい、という思いからやろう! と決めました。チェックに合格して、ショートも入客するようになったのはつい最近です。昨日も3人くらいショートのオーダーが入ったのですが、結構緊張しますね(笑)。
ドキドキしながらカットして、お客さまに喜んでいただけると初心に戻るというか…。「そうそう、この感覚! これがあるから美容師って楽しい!」って。10年続けてもまだこんな気持ちになれるんですよね。終わりなく技術を磨いていける美容師という仕事ができて、本当に幸せだなと思います。
そういえば、Linerで働き始めてから休日の過ごし方も変わりましたね。20代の頃は、休日でもモデルさんなど仕事関係の人に会って関係性を作り、なにかしら仕事に繋がるように過ごしていたんです。もちろん、それで結果を残せたことはたくさんあって、美容師としての基盤を作る10年だったのだと思います。今はある程度その基盤が出来上がっていて、さらにプラスアルファがないといいスタイルも作れないと感じるようになりました。その一つがプライベートだから、休日も大事にしよう、という考え方に変わったんですよ。最近はピラティスで体を整えたり、友達に会いに行ったりすることが増えて、そこからたくさん刺激をもらっています。
>SNSや数字には現れない「あなたのいいところ」を大切にして!