キッズを泣かせない技術とは? apish樋口さんに聞くおしゃれママが喜ぶキッズカットの心得―読むレッスン
キッズの接客において、スタッフと共有しておくべき7箇条
需要の増える夏休みや入学・卒業シーズンを抜きにしても、apish青山店には平均して月に30人ほどのお子さまが来店しているそう。そんなapishでスタッフに共有しているキッズ接客においての重要ポイントと、キッズカットの必需品を教えていただきました。
1.スピーディーに短時間で切ること
子どもはすぐに飽きてしまうので、極力短時間で切ること。apishではシャンプーをしない場合、施術時間は30分程度。大人は技術だけでなく時間もお金で買っている感覚の人が多いので、カット時間が短いと「え、もう終わり?」と思ってしまうこともありますが、子どもにはその感覚がないため、丁寧かつスピーディーに終えるのがベスト。
2.階段でベビーカーにお子さまを乗せたまま運ばない
ちょっとの怪我や事故もご法度。階段などでベビーカーの上げ下げをするときは、お子さまが乗っている状態では決して運ばないこと。お子さまはママに抱っこしてもらい、空の状態のベビーカーを運ぶようにします。
3.カットが中断しないよう、見極めはカウンセリング時に
カットができるかどうかの判断はカウンセリング時に見極め、もし無理そうな場合はハサミを入れる前の段階でお断りをすること。これは、カット途中の状態で帰さないため。刃物を扱う仕事なのでとにかく安全第一! 来店時からカットを嫌がっているお子さまに無理強いはしません。
4.飲食物は必ず親御さんに許可を得てから
お菓子や飲み物は家庭のルールを尊重。アレルギー面はもちろんのこと、「まだチョコを食べさせていない」、「飴はダメ」といったルールが家庭ごとにあるので、お出ししてもいいかどうかを必ず親御さんに尋ねる。
5.男の子に「かわいい」はNG
男の子にはかわいいではなく「かっこいい」という言葉を使って褒めます。男の子は「かっこいい」と言われたいんです。つい「かわいい」と言ってしまいそうになりますが、機嫌を損ねてしまう男の子もいるので注意!
6.待合室で待っている親御さんには子どもの様子を報告
一緒にカットを見守るのではなく待合イスで待っているタイプの親御さんにはカット中の様子を報告。「おとなしく座っていられました」、「たくさんお喋りしてくれました」などと伝えることで、終わってからお子さまが親御さんに褒めてもらえて、サロンにくるのがうれしくなります。
7.必ずお子さまも名前で呼ぶ
親しみを感じて打ち解けてくれやすいので、必ず名前を聞いて名前やニックネームで呼ぶようにします。
キッズカットの必需品
1:底上げ用の子どもイス
子どもの身長は低く、イスの高さが合わないので、底上げ用の子どもイスは全店舗に揃えています。女の子は髪の長さによってはイスの背もたれに髪がぶつかってしまう子もいるので立って切ることもあります。
2:子ども用のクロス
“ちびくろす”という小さい子ども用のクロスを販売するブランドに注文したもの。丈や首回りが子どもサイズになっています。袖口にゴムが入っているので、切った髪の毛が中に入らないよう工夫されているんです。遊び心のあるデザインでお子さまにつけてあげると喜ばれます。
>ときには友だちのママのように、ときには人生の先輩のように。小さなお客さまを担当する喜びとは?