キッズを泣かせない技術とは? apish樋口さんに聞くおしゃれママが喜ぶキッズカットの心得―読むレッスン
短時間でカットすることが大切! 飽きさせないための会話のコツとは?
カットはとにかく短時間で切ることを心がけています。時間がかかってしまうと、座っていることに飽きたり、帰りたくなってしまったりするからです。
今ではどこのサロンでもそうだと思いますが、カットの際にはiPadの力を借りることが多いですね。普段家では使わせていないご家庭でも、「髪を切ってもらうという目的を達成するためなら」と親御さんも許可を出してくださるんです。ゲーム機を持参してくる男の子も多いので、You Tubeやゲームなどに熱中している間にカットを進めてしまいます。
カット中に飽きさせないためのコツは、ズバリ会話です。子どもは大人と違い、「え? なんでそんなことを聞くの?」とは思わないので、内容云々よりも“会話”をすることが大切。私の場合は悩まなくてもお子さまが絶対に答えられることを尋ねます。例えば「何年何組なの?」「運動会は終わった?」など。回答のハードルを下げてあげることで、お子さまもコミュニケーションがとりやすくなるんです。あと、普段親御さんを接客する中でお子さまの話題がでたときの内容を参考に、「習いごとをはじめるって聞いたよ。何を習うの?」と質問したりもします。
ただ、2~3個質問をしてみてもなかなかコミュニケーションを取りたがらない子には無理やり話しかけ続けたりはしません。カットに専念し、なるべく早く終わらせてあげるようにしています。
わかりやすい言葉で説明してから施術すること! 満足度を上げるためのポイントとは?
キッズカットでは、お子さまの信頼感を得ることも重要視しています。そのために施術中は、これからどんなことをするのか、使う道具はどんなものなのかをきちんと説明しています。“何をされるのかわからない”という不安な状況を生み出さないように意識するだけで、意外と心を開いてくれるものです。
例えば、「今からブローしていくね」ではなく「今から髪の毛を乾かして、サラサラにしていくね。熱かったら教えてね」など、わかりやすい言葉で伝えることも大切にしています。何をされるのかわからず、急に耳元でドライヤーの大きな音が鳴りだすと子どもは驚いてしまいますから。この方法を取り入れたきっかけは、以前娘を歯医者に連れていったときのこと。スタッフの方が娘に何をする前にも、これからどんなことをするのか、使う道具はどんなものなのかをきちんと子どもにもわかる言葉で細かく説明してくださったんです。
また、女の子は必ず最後にアレンジをするなど、来店時と変化をつけてあげます。普段髪を結んでいることが多い子は巻いておろしたり、くせ毛の子はストレートにしてあげたり。そうすると普段とは違う仕上がりに、本当にうれしそうにしてくださるんです。
あと、アレンジをするとうれしそうにしている子どもの姿を見て、親御さんもその子を「かわいいね」「よかったね」と褒めてくれるんです。終わった後に「どうやってやるんですか?」と尋ねられ、アドバイスをすることもあります。そうすることによって、お子さまと親御さん両方の満足度を上げることに繋がるんです。
最終的にお子さまが笑顔でサロンをあとにできるのが何よりも大切。サロンは「楽しい場所」、「かわいくしてもらえる場所」と親子で感じてもらえるような接客を心がけています。
>子どものヘアスタイル作りで大切なことは「日常を想定する」こと!