体験を消費することを考える時期

このSNS時代、インフルエンサーの方も普通のお客さまも含めて、ただ商品を買うこと……、美容業界であれば髪を切ってもらう、だけでなく、他にはない体験を消費することを求めている人が多いと思います。つまり、SNSにアップできるネタを探しているということ。

この体験を消費することを商品化、コンテンツ化することを考えるのがこれからの時代、硬直した美容業界にとって大切になってくるのでは、と思います。自ら隙間を探していく作業ですね。

しかし、コンテンツ作りをするためには下積み、基礎がしっかりしていないとおもしろいコンテンツ作りは難しいと思います。美容師の技術をきちんと極めてこそ、美容という仕事の枠を広げたときにしっかりとしたコンテンツが作れるのだと思います。

なので、最近のスタイリストデビューが早い風潮には懐疑的です。しっかり学んでいるのであれば早いにこしたことはないですが、美容師としての価値をしっかり作ってから横展開をする必要あります。基礎ができていないのに、慌てて何かを作り出してもそのコンテンツの土台が脆いので、ちょっとしたことで崩れて失敗する可能性が非常に高いんです。

美容師としての経験値を積み、準備をする。

突然くるチャンスを見逃さないようにいつでも飛び乗れる準備をしておくと、美容師だけではない世界が広がると思います。

コンテンツは話題になったときにはもう劣化が始まると思っています。スマホの登場で情報やコンテンツの入れ替わりのスピードは今恐ろしく早いので次の新しいコンテンツもいくつか考えています。

走りながらいつも何か新しいことを考えて探していく。手を動かして、コンテンツを作り続けて、美容師としての価値、そして金井亮個人としての価値も高めていきたいと思います。

プロフィール

金井亮

都内で数店舗サロンを経営、タレントのヘアメイクなどを行う。2017年の秋に【フォロワー数で値段が変わる美容室】サービスを開始、美容業界のみならず、Twitterを中心に話題に。
また美容師としての活動だけでなく、ケーキ屋、髪の毛アートなど美容業界以外の活動も精力的に行う。

（取材／高橋 優璃・撮影／菊池麻美）

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