美容師が伸び悩むのは、本人だけの問題じゃない 「あの人に会いたい」美容師×美容師の化学反応 第8回 MINX青山店 後藤 晃成さん×siki 磯田 基徳さん
「男性美容師はコンテストで結果を出すことにすごく意味がある」(磯田)
磯田:晃成くんは僕の作品を見て会いにきてくれたっていうけど、コンテストで晃成くんの作品をみると「やっぱ上手いな」って思うよ。武道館のファイナリストやエリアファイナルに残るのも納得。準備にもすごく力を入れているし、努力の天才っていう感じ。
後藤:自分的には、ひたすら足りないものばかり気になっていて。俺はどこまでやればいいんだろう、どこまでやれば上にいけるんだろうっていつも考えています。
磯田:僕がコンテストに出るのは、sikiのブランド価値を高めるため。だから、晃成くんとはきっと目的が違うのだけれど、男性美容師はコンテストで結果を出すことが大事だと考えているんだよね。
というのも、女性美容師は共感力が高いというか、朝出勤前にメイクしたり、生活の中に美容があるし、ビジュアルがいいとそれだけでも支持されこともあるじゃない? じゃあ男性美容師は何でお客さまを集めるかというと、信頼感とか安心感だと思うんだよね。それはたとえば、店長やディレクターみたいな役職かもしれないし、コンテストの受賞歴だったりするのかなと。だから、コンテストで結果を出すと説得力が増すんだよ。
「磯田さんの脳みそはどうなっているんだろうって思っていました」(後藤)
後藤:さっき、磯田さんがサロンのブランディングのためにコンテストに出るっておっしゃっていましたけど、sikiってまだできて2年くらいですかね。それなのに、今の知名度まで押し上げたのは本当にすごいと思います。
今って、SNSをうまく活用できない美容師は伸び悩んでしまうじゃないですか。sikiさんは若手のスタッフさんもそれぞれ自分のウリを打ち出して、伸びているように見えるんです。しかも、それを自発的にやれるようにしている。磯田さんの脳みそどうなっているんだろうな、どんなことを考えているんだろうなって思っていました。
磯田:伸び悩むのは本人の問題だけじゃないと思っているから。僕の責任もあるって考えている。というのも、みんなそれぞれ一生懸命やっているんだよ。だからこそ、結果が出るようにサポートしてあげたい。そのために集客サイトのプランもランクアップを予定してますし、セルフブランディングのアドバイスをすることもある。ただし、絶対にこれをやれよっていうのではなく、「やったほうがいいかもよ」と促すような感じ。自分で決めたほうが、成果が出たときに自分でやった実感がわくと思うから。
たとえば、今考えているのは、情報発信で悩んでいる子がいたら動画の発信の勉強をしてもらって、それが楽しくなったのだったら動画チームをつくって任せてもいいかもしれない。普段から自分たちのブランド力を高めるために何ができるんだろうねっていう話をしていると、ヒントがたくさんでてくるわけ。それをスタッフに任せて、やりがいを感じてもらう。もちろん、得意不得意あるし、好き嫌いもあるから適性を見ながらやらなきゃだけど。
晃成くんも次世代をサポートする動きしているよね。後輩のレッスンを見たりしてるでしょ?
後藤:そこはまさに難しさを感じているところです。僕は巻き込む力が弱いですね。
磯田:まあ難しいところではあるよね。モチベーションもみんなそれぞれだしね。でもさ、晃成くんは20代前半の目標となる存在になっていると思うよ。若手の中ではMINXの功労者だよ、きっと。もちろん、上の世代にレジェンドの方々もいるけれど、晃成くんがいるのといないのとだと全然印象が違うと思うな。
>たとえばMINXにフリーランス美容師がいても…って考えたり」