“いちいち文字を書く、いちいちカメラを取り出す”って、実は大事だったりするよね。—美容師のカバンの中身 SORA北原義紀さん
PICK UP ITEM|本
本は自分を映す鏡のようなもの
本は20代の頃から読み続けています。自己啓発本も読めば、経営書や格言、ライフスタイル本も読みますし、ゆとりがあるときには小説も読みます。最近は毎日カバンに、種類が異なる本を2、3冊は入れています。
今日持っているのは、『矢沢永吉激論集 成りあがり』、司馬遼太郎の『人間というもの』、松浦弥太郎の『センス入門』の3冊。
実はどれも一度以上読んだことがあるものなんです。何度読み返しても初めて読んだように感じることもあるし、刺さる言葉が変わることもあります。本は自分を映す鏡のような部分があるように感じています。
本を読む時間を持てるということは…
本を読むことで安心しているという部分もあります。読んでいる時間があるということは、自分にゆとりがあるということ。僕はやれることをすべてやろうとして、わりと目一杯になるタイプなので、そういった“間”みたいなものを持つことが、自分にとっては大切だと感じています。
本を読んでいる時間は、オフラインになれるというのもいいんですよね。
自らオフにする機会をつくらないと、今の時代は止まる暇がありません。座って本を読み、考えてみることで、少し思慮深くもなれるし、物事をきちんと捉えて、自分のものにしてから発信することもできるようになると感じています。
だから若い美容師さんたちにも、読書はおすすめです。おせっかいかもしれないけれど、僕は本で変われたり、救われたりしたので、つい人にも本をすすめてしまうんです。話していると、「あ、今この本を読んだほうがいいな」って、思い浮かんじゃうんですよね。
- プロフィール
-
SORA
代表/北原 義紀(きたはら よしのり)
大阪府出身。日本理容美容専門学校卒業。都内の理容室で勤務後、1年間渡英留学。帰国後、都内美容室を経て、2002年に金子利彦氏、山根栄有氏とSORAをオープン。サロンワークを中心に、ハサミの企画開発やボランティア活動など、業界の枠を超えたさまざまな企画を「キタハラヨシノリプロジェクト」を通じて具現化している。
(取材・文/福田 真木子 撮影/河合 信幸)
- 1 2