スタイル作りは「服」から始める! 名だたるコンテストでグランプリをさらう、JURK・suzunaさんのアイデアの源泉は? ―トレンドメーカーの「ブレイン解剖」─
東京での集客に苦戦した経験が、コンテストに注力するきっかけに
もっと成長したいと思って自ら希望して東京に来たものの、最初の頃は本当に予約が入らなくて……。名古屋ではレッスンが思うように進まないほど売上があったのに、東京ではお客さまを自分でハントしなければならなかったのは、正直落ち込みましたね。こちらに来てから、半年間くらい伸び悩んだ期間がありました。
コンテストに注力するようになったきっかけは、実はこのときなんです。お客さまにも、美容師さんにも知られていない自分に、どうにかして誇れるものを見つけたくて、「コンテストしかない!」って。
準備期間にどんなものを作ろうか考えている時間は好きですが、結果が出なかったときのことを想像するとメンタルが落ちて大変なことになるんですよ。私、かなりの負けず嫌いだから絶対に負けたくなくて。
私自身は、コンテストの作品だから攻めたものを作ろうという発想はなくて、サロンワークとかけ離れることなく、ぎりぎりリアルクローズにも落とし込めるようなスタイルを作るようにしています。
自分の作りたいスタイルがあるのに、その方向性を審査員の方の好みに合わせて変えるのは苦しいんですよね。それでも結果を残すことができたスタイルは、自分の好きなものと審査員の方の好みの間をうまく取れて、ストンとハマったものなんだと思います。
最初こそ自分の名前を売りたいと思って臨んでいましたが、私がコンテストに挑戦することでリクルートに繋がったり、私自身もコンテストに挑戦する沢井の姿に憧れたように、スタッフから「suzunaさんがやっているから、挑戦してみたい」と言ってもらえることもあるので、今は下の子たちを引っ張っていけている実感もあります。
いくつかのコンテストでは2年連続でグランプリを獲得させてもらっていますが、自分の中で「まだまだ本物じゃない」って感覚があるんです。今年もグランプリを取って3年連続になれば、自分でも納得できると思います。最近は、コンテストで審査員のお仕事もすることもあるので、それに恥じないように挑戦は続けていきたいですね。
サロンワークとコンテストを両立している女性美容師さんは男性に比べると少ないのかな、と感じるので、自分のこの立ち位置はキープしたいです。