【名古屋の赤ペン先生初登場】コロナ禍にブレイク『住吉塾』会員数は1200人超え。住吉望の波瀾万丈物語・後編
有料のオンラインサロン『住吉塾』をスタート
2年半前くらいでしょうか。インスタの赤ペンをどんな人が見てくれているのかを分析してみたら、1万回再生でも最後まで見ている人は5%以下ということが分かったんですね。500人だとしても、熱心な人が何回か見ていると仮定すると、実際に見ている人は200〜300人ですよね。え、この動画って意味あるの?と思うようになってしまって。もっと良いものを作って本気で学びたい人に届けたいと思うようになり、有料のオンラインサロンを始めることにしたわけです。
ただ、僕はかなりのアナログ人間で、パソコンはいまだに持っていないくらいなんですよ。オンラインサロンもプラットフォームに頼らないと自分ではできなかったので、かの有名な動画配信会社にアプローチしたんです。ですが、書類落ちしてしまって。これはおかしい!と思って再度送ったんですが、また落ちたんです(笑)。それで仕方なく自分で調べて、自力で始めました。それが、2019年に始めたカット専門のオンラインサロン『住吉塾』(月2000円)です。
初月の会員数は、10人くらいでしたね。とくに宣伝もしていなかったので、そのあともあまり増えなくて3か月で100人弱だったと思います。それでも公に教育でお金を取ることができるようになったので、自分としてはその進化に嬉しい気持ちでした。その半年後、最初の緊急事態宣言のときにオンラインサロンをする人が増えて、みんな積極的に宣伝しているのを見て、僕も公言するようになって。そしたら会員が1000人を超えてきて、今は1200人ほどいます。
難しそうな技術をシンプルに戻すのが僕の仕事
オンラインサロンを始めた当初は、2日に1度配信していたんです。内容のネタはいくらでもあるので毎日でもできるんですけど、アンケートで「2日に1回と3日に1回どちらがいい?」と聞いたら、「3日に1回」の希望が大半で(笑)。なので、今は頻度を減らして更新しています。
サロンの中では会員さんが作ったスタイルの赤ペンもしていて、iPadを使って動画でより細かく説明しています。また、「あのカリスマ解説」という項目もあり、著名な美容師が作ったスタイルを勝手にピックアップして分析し、カットしながら説明するということもやっています。あとは、「トレンドスタイル解説」。例えば、“ハンサムショート”を取り上げて、複数の種類を見せながら違いを細かく説明したりしています。
スタイル本の「テキスト解説」ということもやっています。本に書いてある説明って分かりにくいじゃないですか。「ここを45度で切ります」と書いてあっても、なぜ45度なの? 30度にしたらどうなるの? 長めに切ってもいいの? それとも、この長さで成立しているもの? 重めになるの? など、そこに書いてないところまで含めて読み聞かせをしているんです。
みんな、わりとカットを難しく考え過ぎなんですよね。例えば「絶壁の頭はこう切る」みたいな説明があると思うんですけど、本当に直角な絶壁の人はいないんです。誤差の範囲なんですよ。だから、真ん中だけセニングする回数を少し減らせば成立します。そんな感じで、複雑で難しく考えがちなことをシンプルに戻すということをしています。それが僕の役割なのかなと思っていて。