髪質改善の答え。ヘアケアシーンをリードする逸材が語る「求められる美髪Logic」。宮本栄一nex、川端康平Adele、田村タムgite
髪質改善の今後の展望について。どんな風になる?
宮本:これまではメーカーさん、ディーラーさん、美容師さんという流れだったのが、今は美容師の発信力が強いから、明らかにディーラーさんと美容師が逆転していますよね。もはや腕の世界。同じ材料を使っても、あの人ならうまくいくという世界じゃないですか。そこを完全にマニュアル化できた人がどんどん広げていくのかなと思います。僕みたいな職人タイプが増えていくか、ビジネス的に自動化して広げていくタイプに分かれるのかなと。
田村:僕は、いろいろ混ぜて使わなきゃいけないものを黄金比でひとつの商材として認めて、それを塗るだけである程度うまくいきますよ、というものが生まれたらいいなと思っています。街の近所の美容室で気軽にできるようになったら面白いですよね。僕が使っているグリオキシル酸を知らない人も多いと思うんですよ。だから、娘さんがお客さまで来て、その紹介でお母さんが来てくれることがすごく多いんですね。むしろお母さんの方が娘より来る、みたいな感じになっているので、もっと流行ってほしいなと思っています。
宮本:髪質改善はこの人、というお気に入りの美容師を見つける時代なので、いずれ商材はオールインワン化すると思います。あそこの美容師さんに髪を任せておけば、これさえ使っておけばいい、みたいな。ホームケアは簡単なドライだけで維持できるように、質感にフォーカスすると思いますね。ここからはシリコン全盛期になると思いますよ。そして、結果を出せない美容師は淘汰されてしまう。唯一無二みたいな人が求められる時代なのかなと思うので、お客さまと真摯に向き合うのがベストの正解かなと思います。
田村:今は、雑誌に出たら売れる時代ではないですよね。ダニエルさんはどんな風に考えていますか?
ダニエル:同じ髪質改善でも、道は別れますよね。宮本さんみたいなブラックジャック型もいれば、僕のようなショッカーをまとめる人もいる(笑)。僕はカラーから髪質改善にシフトしましたが、これからそういう人が増えると思うんです。髪質改善にデザインカラーなどの付加価値を付けたいという、僕がやってきたことをめざす人の架け橋になれたらいいなと思っています。ゴールは実業家なので、10店舗でお店を経営したいと思っているんですね。そのために何が必要なのかなと思ったときに、大人数をまとめるための自動化が必要。これがあれば、みんながある程度きれいにできるよというものを作り上げることは、実業家をめざすなら必ずプロセスの中で当然やります。今はオンラインサロンをやっていますが、積み上げたことをマニュアル化して発信していく。まだまだ途中の段階ですけど、お客さんの負の解消をしていくためにプロとして努力していきたいですね。
田村&宮本:お互い頑張りましょう!
<プロフィール>
『nex the salon』スタイリスト/宮本栄一(みやもと えいいち)
1994年生まれ。都内有名店で経験を積み、縮毛矯正や髪質改善の高度な技術を強みにセミナー講師として活躍。その後、『nex the salon』に参加。1300名の会員数を誇る美容師向けオンラインサロン「nexアカデミー」で縮毛矯正を担当。手厚い指導に高い支持を得ている。
Instagram:@eiichi_st
髪質改善専門サロン『Adele(アデル)』代表/川端 康平(かわばた こうへい)
1992年生まれ。都内有名店を経てフリーランスになり、髪質改善専門サロン『Adele』を立ち上げる。髪質改善とカラーで注目を集め、コンサルティング事業の売上は年間2000万、Instagram運用noteは月間1300万を達成。さらに今年10月から髪質改善オンラインサロン「神風」をスタートさせ、現在の会員数は約300名。
Instagram:@daniel_kouhei
『gite SHIBUYA』副店長/田村タム(たむら たむ)
1993年生まれ。DJから美容師に転身し、23歳のときに縮毛矯正・髪質改善で人気の『gite』に入社。大好きなカラーの技術を高めていく中で酸熱トリートメントと出会い、独自に研究を重ねて一人ひとりに合わせて調合するオーダーメイドトリートメント「ピチキュア」を開発。インスタに投稿した艶髪動画で人気に火がつき、月500万を売り上げる。
Instagram:@_tam_hair_
(取材/織田みゆき 撮影/松林真幸)
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