新規顧客の「変わりたいポイント」を外さないイメチェンの法則−読むレッスン

 

もうすぐ新学期、新生活が始まる春がやってきます。春といえば、イメチェンシーズン! 美容師としてもお客さまの「変わりたい」気持ちにビシッと応えて、信頼を手に入れたい大切な季節です。

 

新シリーズ「読むレッスン」では、インスタグラムにお客さまのビフォーアフターを多数掲載し、新規客獲得に成功している「Of HAIR」の小西恭平(こにしきょうへい)さんのイメチェンの法則をご紹介。お客さま1人ひとり異なる「チェンジのツボ」を的確に見つけて、満足いただくアプローチとは?

 


 

イメチェンを満足に導く4つの法則

 

 

法則1

「一番似合うようにお願いします」には、質問で返す

 

「一番似合うようにお願いします」とオーダーする人は、自分がどうなりたいかがはっきりしていない人がほとんどです。目指すものが見えていないと、どんなヘアスタイルを提案してもしっくり感じてもらえません。それに、似合うヘアスタイルを1つに絞ってしまうと、今後そのお客さまは他のヘアスタイルに挑戦できなくなってしまうかもしれません。だから、こういうオーダーの場合は「お任せ」と捉えずに、こちらから質問を返して、お客さまと一緒に「お客さまの今の気分」を確認していくようにしています。そのうえで骨格や体型、顔の輪郭、髪質なども見て、こちらから似合うヘアスタイルを提案していきます。

 

《質問ポイント》
・お客さまの「変わりたい」イメージの幅 ・現在のテイストをキープしたいかどうか
・今の髪のお悩み ・なりたい雰囲気 ・好きなファッション ・今までに挑戦した髪型 など

 

法則2

似合わないヘアスタイルを希望されても断らない

 

顔立ちや雰囲気との兼ね合いで、似合わない髪型というのはどうしてもあります。でも初めから「できない」とか「似合わない」と言ってしまうと、お客さまを傷つけてしまいます。できることなら「あ、なんか違うかも」とお客さま本人に気づいてもらいたい。そういう場合は一度鏡の前でシミュレーションをします。カットなら鏡の前で髪を曲げて短くなった自分を想像してもらう、パーマならアイロンで巻いてみるなどです。

 

また希望された髪型をそのままやると似合わなくても、ポイントを絞ればお客さまに似合う髪型になることもあります。たとえば顔まわりは希望のヘアスタイルと同じで、レングスはお客さまに似合う長さ、など。そういった髪型をいくつか提案していくと、「似合う」と「なりたい」の両方を叶えるヘアスタイルが見つかると思います。

 

 

法則3

見本の写真は、顔を隠してもう一回見直してもらう

 

見本の写真を持ってくるお客さまは多いですが、お客さまが「髪型」をちゃんと見られているとは限りません。写真の雰囲気や、モデルの顔が好きなだけ、という場合も多々あります。それを解消するために、お客さまには写真の顔の部分を指で隠した状態で、もう一度写真を見直してもらうようにしています。顔を隠すと自分に落とし込みやすくなるので、本当にその髪型にしたいのかどうかを確認しやすくなります。その状態でその髪型のどこが好きかを聞いていきます。質感なのか、顔まわりなのか、形なのか、ですね。そうすると外せないポイントも見つけやすくなります。

 

 

法則4

「テイストを変えずに雰囲気を変えたい」には、引き出しの多さで勝負!

 

チェンジを希望されるお客さまの中で特に多いのが、「テイストを変えずに、雰囲気を変えたい」というオーダーです。感覚的な部分が大きいので、難しいオーダーでもあります。これに関してはとにかくファッション誌や、ヘアカタログなどをたくさん見て、自分の引き出しを増やしていくしかないと感じています。女性のテイストに対する理解もすごく重要。また骨格や顔立ちだけを見るような、いわゆる「似合わせの定義」に縛られすぎてしまうと、バリエーションが出せなくなるようにも思います。雰囲気や質感で似合わせていく技術や、自分自身の「あ、似合いそう」という感性も、磨いていくのが大切です。

 

>小西さんのビフォーアフター写真から読み解く「チェンジ」のコツ

 

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