「日本とNYのカラーバリエーションは振り幅が違う」-穂高律子のニューヨーク美容師コラム Vol.8
ニューヨークにきて驚いたことというと、頻度。カラーは年に2、3回くらいという人は本当に多いです。ハイライトやバリアージュなどしたとしたら、1年カラーしないといったようなことも普通です。やはり値段が高いのと、もともとの髪の色が明るいので、リタッチ幅があまり気にならないというのが理由にあるのかなと思います。
日本人だと、2ヶ月に一回くらいという人か多いのではないでしょうか。もちろんニューヨークがホームではない人たちばかりなので、値段も高く、 自分の国に帰ったらもっと頻繁にやっているという人たちもいると思います。
おもしろいのが、国によって、好きなカラーのタイプが違います。同じアジアでいうと、日本は、限りなく外国人っぽい雰囲気がみんな好きで、赤みのない、アッシュやベージュなどの、カラーが人気だし、例えばchineseとかだと、ウォームブラウンや少し赤っぽい茶色が好まれたりします。もしかして、今までアッシュにできる美容師に会えてきてなくて、その色しか知らないのかな? と思って、私はできるよ、やりませんか? と勧めても、自分たちの顔の色がアッシュだと暗く見えたり、老けてみえない? と言われ、やりたがらなかったりします。みんな自分の顔のトーンが暗く見えたり、くすんで見える色を好みません。
あと、ベースが黒髮の国の人たちは、全頭をカラーするというのをあまりせず、ハイライトやバリアージュなどを好みます。そして、その黄色っぽく抜いたようなゴールドっぽいハイライトをわざわざ求めたりします。日本人はブリーチしたてのような黄色は好きではなく、限りなくベージュ、少しくすませたハイライトを好みますが、少し暑い国の方々は、黄色っぽいハイライトを求めてきたりします。やはり肌の色味やメイクのテイストが影響するのかな? と思います。 また白人とかでも、白っぽいハイライトを求める人と、ゴールドっぽいハイライトを求める人に分かれたりします。
気を利かせて、アッシュっぽいハイライトにした時など、違うと言われ、ゴールドっぽいハイライトがいいと言われることもありました。やはりそこも白人の肌のトーンなどによって、アッシーすぎると少し老けて見えたりするから、あえてゴールドっぽい派手さのあるかんじが明るく見えていいという気持ちがあるみたいです。
こんなかんじで、同じようなものを作るにあたっても、その国々で大切にすることや流行りやセオリーみたいなものが違うので、カラーをやっていくのがすごく興味深く面白いです。
そこに加わりさまざまなカラーのやり方やいままでとは違う種類のカラー剤や二剤の%違いの種類の多さなどで、色々コントロールしたりしていけます。ますます興味深いです。
もっと短時間で、ハイクオリティ、ハイファッション、オンリーワンのカラーを提案していけるように日々勉強していきたいと思います。
- プロフィール
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穂高 律子 (ほたか りつこ)
岩手県出身。都内1店舗を経て、macaroni coastの立ち上げより参加。女性店長としてサロンワークの他、カラーセミナー等の講師、アーティストのPVやアパレルのカタログ等のヘアメイク等も手掛ける。2016年1月に渡米。現在はニューヨークで美容師として活動中。
Instagram: https://www.instagram.com/ritsuko725/
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