「感覚が古くならないように、オリジナリティを持って仕事をする」 -穂高律子のニューヨーク美容師コラム Vol.2-
サロンスタイルについて
日本とは本当にスタイルの好みが違うので、はじめは本当によく分かりませんでした。
可愛いものもセクシーなものもかっこいいものも作れると勝手に思っていましたが、全然違いました。
最初はメンズから入って慣れていったのですが、メンズといっても、バーバースタイルがほとんどで、どのくらいシェイブすればいいのか、あまりしすぎないほうがいいのか、英語もあまりわからなくて、最初のころは的を得ていないカットをしていたと思います。
「もっともっと短くてよかったと思いますよ」とアドバイスをもらうことも多々ありました。
あとは、スタイリング剤をつけなかったりするので、それに頼れなくて難しかったです。みんなシャンプーをあまりしないので、施術前は収まっているように見えたけど、シャンプーしたらものすごいクセで、どうしよう…。といったこともよくありました。そういったこともちゃんと聞かないと、長さが短くなりすぎたり、質感がイメージと違ったりするので、必ず確認してから切ったりするようになりました。
Adam。ロングからバッサリここまでカット。「What ever you want.Have fun」 (君の自由に楽しんでカットして! )の一言で、自分がいいなと思うスタイルを切り、彼も満足してくれてとてもうれしかったです!
女の人は、国によって流行りやイメージするアイコンが全然違うので、そこを理解するのが大変でした。日本人は重めの外国人風のあまりレイヤーをいれないスタイルや、可愛いがベースにあるスタイルがやはり多かったなぁと感じます。
逆にニューヨークにいる人たちは、カールがあまり好きではなかったり、flat が嫌とか、volumeが欲しいといわれるので、レイヤーをいれないスタイルのほうが少ないくらいです。私達が見てきた外国人は、切りっぱなしくらいのブラント(無造作な雰囲気)だと思っていたのですが、そんなこともなく、重めより、かき分けたときなどに綺麗に流れたりなびいたりしたほうがかっこいい、セクシー、そういったものが好まれます。
なので、ロングでもレイヤーが切れることは本当に大切です。
彼女は若くて可愛かったので、とてもテンションが上がりました(笑)。 こういったワンレングスからのレイヤーをいれるスタイルが本当に多いです
あと、日本の時はあまり鏡を見せると、「下手な人」とか「お客さんにゆだねて迷ってる人」のような印象を与えてしまうので、過剰に鏡をみせて確認することはなかったし、自信もあったので、あまりしなかったのですが、こっちは途中途中みせて確認することが当たり前。はじめはとてもびっくりしました。
特に初めての人に入ることが多く、言葉もお互いわかりあえるわけでもないので、必ず確認することが大切です。
ニューヨークにきて、美容師として新しい発見が多く、今までとは全く違うやり方なので、とてもおもしろいです。
日本では日本のやりがいがあり、ニューヨークではニューヨークのやりがいがあるんだなと、改めて感じる日々。早く自分がいいなと思うスタイルを言葉と技術、共に納得させれるように成長していきたいなと思っています。
- プロフィール
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穂高 律子 (ほたか りつこ)
岩手県出身。都内1店舗を経て、macaroni coastの立ち上げより参加。女性店長としてサロンワークの他、カラーセミナー等の講師、アーティストのPVやアパレルのカタログ等のヘアメイク等も手掛ける。2016年1月に渡米。現在はニューヨークで美容師として活動中。
Instagram: https://www.instagram.com/ritsuko725/