『答えが出ているものは興味ない。人がやらないから僕がやる。』 Wille代表 志賀尚之が唯一無二のポジショニングを続ける理由
ワンクールごとに数百本のアニメを見るのがルーティーン
―アニメーションのインプットはどんな感じでしているのですか。
多分、みなさんが引くくらい観ていますよ。アニメーションって春夏秋冬それぞれ3カ月で1クールくらいの区切りでリリースされているじゃないですか。僕は1クールに数百本の作品を観ています。もちろん、全てに目を通すのは無理だから、最初の3回は必ず観るとか、そういうペース。好き嫌いは関係ありません。とにかくどんな作品も知っておく。とはいえ、第一話だけ観たけど苦手で、それ以降は観ない作品などもありますけれど。今も家に帰ってから毎晩録画した作品を見ています。
“美容師の世界には答えはない” 自分が信じた道を突き詰めるだけ
―最後の質問です。志賀さんにとって「美容師の仕事」とは?
この仕事が天職かと尋ねられたら、天職だと思います。やっぱり、お客さまが満足して帰られる様子を見ると感動します。本当に毎回、感動しますね。
今はSNSでセルフブランディングして、集客してっていうのが当たり前の流れになっていますけれど、せっかくきてもらったお客さまが満足しなかったら意味がないですよね。技術よりも話題性が先行しているのは心配です。僕はきてくれたお客さまを絶対に裏切りたくはないので。
だから、まだまだ技術を磨いていきたいし、勉強も続けていきたい。美容師の世界に正解なんてなくて、やり方は何万通りもあると思っています。大切なのは、自分で選んだ道に誇りを持って、突き詰めることなんじゃないかなって。
Instagramで注目される美容師さんが増えてきたからこそ、技術力や安心感、美容師としての根本の部分を問われていると考えています。僕はよくお客さまに驚かれるんですよ。こういう打ち出してやっていると派手好きな人だと思われてしまうからかな。「思っていたよりも丁寧なんですね」と言われたりしています。でもお金をもらうプロなのだから、丁寧なのは当たり前です。
あと、この先の個人的な目標としては、アニソンのフェスでヘアショーをしたいんですよ。毎年3日間、さいたまスーパーアリーナで声優界の超大物が集まります。その舞台に、僕は美容師として立ちたい。これは絶対に叶えたい夢、というか必ず実現できると信じている目標です。
- プロフィール
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Wille
代表/志賀尚之(しが なおゆき)
1987年生まれ、神奈川県出身。住田美容専門学校卒。都内1店舗を経て、2015年4月に「Wille」を設立。アニメのキャラクターをモチーフにしたカラフルなカラーデザイン「2.5Dカラー」がSNSで好評。アニメファンから多数の支持を得る美容師。2018年7月にはアニメ「シュタインズゲート」とコラボし、アニメと美容室を掛け合わせた新しい試みを成功させる。
(取材・文/外山 武史)