『答えが出ているものは興味ない。人がやらないから僕がやる。』 Wille代表 志賀尚之が唯一無二のポジショニングを続ける理由

 

圧倒的な技術力と磨き抜かれたセンスを持つクリエイティブ美容師さんは、どのようなことを大切にして、唯一無二の輝きを放っているのでしょうか? 

本企画『クリエイティブ美容師のヒットスタイル前線』では、美容師さんから一目置かれるアーティスティックなスタイリストにご登場いただき、自身の中で最も成長を感じ、世間からも反響のあったスタイルをご紹介いただきます。

第5回目のゲストは、アニメーションのキャラクターにインスパイアされたヘアで、ケタ違いのバズを巻き起こしてきたWilleのカラーのカリスマ、志賀尚之さんです。

いわゆる2.5Dの世界はバランスが命。少しでもバランスを崩せば、おしゃれに見えなくなってしまいます。そんな難しい分野で、アニメーションのキャラクターを再現しつつ、スタイリッシュなデザインを生み出し続ける志賀さんのクリエイティブ論に迫りました。

 


 

魔法少女を具現化した作品を通じ、美容師としての底力を見せたかった

 

 

―志賀さんの印象に残っている作品を教えてください。

 

『ラブライブ!』のキャラクター「南ことり」ちゃんのヘアをデザインした「ことりベージュ」がTwitterで何十万もリツイートされてから、アニメーションのキャラクターのヘアデザインで注目されることが増えました。でも、基本的にはSNSにアップするのは、バックスタイルだけ。正面から撮影するとモデルさんの顔も入るので、どうしてもアニメの世界観から離れてしまう可能性があるからです。世界観を崩さないために、Instagramの場合はアニメの画像をバックスタイルと一緒に載せたりしていました。

 

志賀さんの施す『ことりベージュ』

 

バックスタイルでも評価をいただいていたんですが、僕の中には美容師としての力を提示したいという気持ちもあったんですよね。それで3年前につくったのが、この作品です。(魔法少女のような作品 参照)魔法少女のようなキャラクターからヒントを得て「こういう女の子を具現化したらどうなるだろう」と考え、自分なりに消化してつくりました。

 

 

ピンクは色を出そうとすると赤が強くなるし、薄くしようとすると白に飛んでしまうんです。なので、理想の色を出すのはめちゃくちゃ難しいのですが、モデルさんの髪との相性もあって、絶妙な色を出せたと思います。色が映えるように毛先に動きをつけたり、かすみ草で頭を飾ったりなど、細部に工夫を凝らしました。この作品を通じてフロントでも勝負できることを証明できたし、3年経った今振り返っても「かわいいな」と思える作品です。

 

今年に入ってからの作品を挙げるとしたら、『ジョジョの奇妙な冒険』にインスパイアされてつくった実際にはいないけれど、女性キャラクターとして登場しそうな女の子の作品ですね。これは「TOMOTOMO」に掲載されています。

 

©TOMOTOMO BASIC SERIES

 

インナーと顔周りのカラーと髪の動きを出すことで、カラー種類を抑えながらも多彩な表情を見せられる作品になったかな、と思っています。

 

本当はもう一つ、最新の作品も思い入れがあるのですがまだお披露目できないので、SHINBIYOの12月号でぜひご覧になってください!

 

>炎上したとき、ようやく見つけてもらえた感じがして嬉しかった

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