『評価されるデザインには“理由”がある。その理由を分析することが最初の一歩』  かつてコンテスターで活躍、現在は審査員も務めるbianca HITOMIのクリエイティブ論

 

圧倒的な技術力と磨き抜かれたセンスを持つクリエイティブ美容師さんは、どのようなことを大切にして、唯一無二の輝きを放っているのでしょうか? 本企画『クリエイティブ美容師のヒットスタイル前線』では、美容師さんから一目置かれるアーティスティックなスタイリストにご登場いただき、自身の中で最も成長を感じ、世間からも反響のあったスタイルをご紹介いただきます。

 

第3回目のゲストは、biancaのHITOMIさん。ヘアコンテストでは上位常連、現在は審査員としても活躍しています。業界誌から作品掲載依頼も多く、常に撮影を行っている「クリエイター系女性美容師」です。今回はそんなHITOMIさんの思い入れのある作品や、クリエイティブへの考え方等についてうかがいました。コンテストで結果を出したい美容師さん、必見です!

 


 

THE3DESIGNでギャラリーの視線を浴びながらつくったJHAノミネート作品

 

JHAの関東エリアでRISING STAR OF THE YEARにノミネートされたHITOMIさんの作品

 

―ここ最近で印象に残っている作品を教えてください。

 

ここ数年で一番印象に残っている作品は、2年前のJHAの関東エリアでRISING STAR OF THE YEARにノミネートされたものです。この作品は自分だけで作品撮りをしたものではなくて、「THE3DESIGN」というイベントから生まれました。THE3DESIGNは内田聡一郎(LECO)さんと、堀江昌樹(JENO) さん、フォトグラファー松山優介さんと私の4人で、大勢のギャラリーがいる前でフォトシューティングをLIVEで公開するという内容です。せっかく松山さんという素晴らしいカメラマンに撮影してもらうのだし、JHAのRISING STARに応募できる作品をつくることができたらいいなと思っていました。

 

作品をつくるときは緊張感がありましたね。ギャラリーが見ているなかで、内田さんと堀江さんというスターのような人たちに遜色のないデザイン、しかも、私にしかつくることができない作品をつくりたいと意気込んでいたからです。当然、下手なものはつくれません。今振り返るとそのプレッシャーがよかったのか、私自身も好きな作品に仕上がりました。

 

どの作品にも必ずデザインポイント(見せ場)をつくる

 

 

―作品づくりの軸になっている考え方を教えてください。

 

クリエイティブ撮影のときは、必ずその作品にデザインポイント(見せ場)をつくるようにしています。キーとなるのは、モデルさんのお顔立ち。モデルさんの輪郭や目鼻立ちはヘアスタイルやファッションに影響を与えるからです。モデルさんのいいところを引き出すために、どうデザインするか。シャープな骨格を生かすために髪にボリューム感を出すなど、お顔と連動してデザインポイントをつくっています。

 

RISING STARの作品では、ピンク色のショートヘアの毛先をツンツンさせたパンキッシュなスタイルなんですけれど、髪の質感にこだわって、パンキッシュな強さがありつつも、女性らしい柔らかさもある作品に仕上げました。モデルさんの雰囲気に合うことが前提としてあって、その上で世界観を表現するという感じですね。

 

>いい作品を見て「なぜそれが評価されているのか」を分析する

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