『アートスタイルは言語や国を超え、人の心を強く動かす!』 OCEAN TOKYO随一の職人美容師、七五三掛慎二のデザインルール”美容とバーバーの境界線を消す!”とは?
圧倒的な技術力と磨き抜かれたセンスを持つクリエイティブ美容師さんは、どのようなことを大切にして、唯一無二の輝きを放っているのでしょうか? 本企画『クリエイティブ美容師のヒットスタイル前線』では、美容師さんから一目置かれるアーティスティックなスタイリストにご登場いただき、自身の中で最も成長を感じ、世間からも反響のあったスタイルをご紹介いただきます。
栄えある第一回目のゲストは、類まれなるセンスと、美容とバーバーの感性を織り交ぜた世界観で、そのデザインに注目が止まないOCEAN TOKYO WHITEの七五三掛 慎二(しめかけ しんじ)さん。
職人美容師の代表格ともいえる七五三掛さんのスタイルづくりの姿勢や、こだわり、アート性の強い作品の可能性までたっぷり語っていただきました。
カッコいい作品の三大要素は、柔らかさ・硬さ・キレイさ。そこを駆使して美容とバーバーの境界線を消したい。
-七五三掛さんは作品を生み出すとき、どんなことを大切にしていますか?
僕なりのルールとしてあるのが『美容とバーバーの境界線を消す』ことです。結果としてカッコいいものを作る際、柔らかさ・硬さ・キレイさ、この3つの要素は欠かせないなと。美容で柔らかさ、バーバーで硬さ、それが融合して最終的にキレイな作品になるように意識しています。
-美容とバーバーの境界線を消した、七五三掛さんにとってのヒット作品はありますか?
正直なところ、まだありません。確実な手ごたえを実感したことがないというか。
-え…! 周囲からはすごく反響があるように見えますけど。
作品を作る以上、自分のやりたいことを表現するアート性と、周りから求められることに応えるビジネス性がマッチすることで初めてヒットすると思うんです。それの絶頂みたいなのは、これから味わうのかなと。
想像以上にアート性を評価してもらった作品は、メンズプレッピーで掲載したウルフスタイルでファーのような質感にした作品です。
奇抜なデザインなので、実際にこのヘアスタイルにしたいというお客さんは少ないと思います。ただ、先ほどお伝えした『美容とバーバーの境界線を消す』スタイルを模索して、生み出した作品です。どうしても作りたくて「2ページ自分にください!」とお願いして実現しました。
ある種自分のエゴともいえるスタイルを作りましたが、想像以上に反響があって、ビックリです。もう1年以上前の作品ですが今でも「よかった」と言っていただくこともあり、デザインが独り歩きしてくれている感覚があります。
-七五三掛さんのセンスを存分に味わえる作品ですね。ちなみに未発表のもので、お気に入りはありますか?
未発表の作品っていうのが、ないんですよ。自分が「世に出したい」と思ったときにしか作品は作らないので。とっておいてあるスタイルは、一生出さない作品ということですね。今後もストックすることはありません。作品は『生もの』だと思っていますから。
-作品は生もの。その意味は?
僕は、自分のマインドや思考が代わるタイミングで作品を作ることが多いんです。そのリアルなところをデザインに落とし込みたい。ふと作品を見返すと、自分の心境の変化が読み取れてそれがまたおもしろかったりします。そのときどきに込める想いが違いますね。
デビューしたばかりは、僕も集客を狙ったスタイルを作ったりもしました。いつしかそういう作品が世に溢れ、似たり寄ったりの中に並ばないように模索した作品もある。「これが絶対カッコいい」というそのときどきの価値観やクセが作品を通して思い出せますね。
>アート作品は言語や国の壁を越えて、人と人とがつながるパイプになる。