そのヒゲはこだわり? 作戦? メンズ美容師のヒゲブランディング論
VeLO・原 康之さん
話ベタな僕をフォローしてくれるインパクトのあるヒゲスタイル
-原さんの今のヒゲスタイルのこだわりを教えてください。
このスタイルは生えるヒゲをすべて生え揃えさせた「フル・ビアードスタイル」というものです。今までいろいろなヒゲスタイルをしてきたのですが、バーバースタイルが注目されて始めた頃からヒゲを生やす人が増えてきたので、誰にも真似できないスタイルにしたいと思いこのスタイルに到りましいた。また僕はヒゲがかなり濃く、シェーブすると青くなるのでできるだけ全体に生やしておきたいというのもあります。
-これまでどんなヒゲスタイルをしてきたのですか?
入社してしばらくはあごヒゲ、ほおヒゲのみ伸ばした「チンストラップスタイル」でした。そこから口ヒゲも生やして短く整えた「ショートボックススタイル」に移行したのですが、社員旅行で行ったモロッコのバーバーで「オールドダッチスタイル」にシェーブしてもらい、しばらくはそれが定番になっていました。
-入社してすぐに伸ばし始めたのですね。アシスタントの立場でヒゲを伸ばすことに不安などはありませんでしたか?
もともと伸ばし始めたきっかけが、「ヒゲ生やしてみたら?」という先輩からのひと言だったんです。朝シェーブしても夕方にはヒゲが生えてきているのを見かねて言ってくれたのですが、それがあったので不安はありませんでした。
それまでは中学から専門学校までヒゲを生やしてもいい環境にいたことがなかったので、生やすという概念がなかったんですよね。でもシェーブして青くなるという悩みもヒゲを生やしておけば解消されるし、東京・原宿ではヒゲを生やしているくらいではまったく目立たない。誰も気にしていないと気づいて、伸ばしたほうが自分にとってメリットがあると思うようになりました。
-営業面でヒゲを伸ばすようになって良かったと思うことはありますか?
ヒゲをきっかけにしたり、ネタにしたりして、お客さまとの会話が増えたのが良かった点です。話ベタな僕にとしては、ヒゲが生えるDNAに感謝しています!
-そういったことも踏まえて、ヒゲは美容師のブランディングに役立つと思いますか?
美容師としてという以前に、インパクトがあるので顔を覚えてもらえますよね。サロンのお客さまはもちろん、出かけた先々で話しかけてもらえたり、あらゆることのきっかけになっていると感じています。特に国籍問わず、外国人の方からのウケが本当に良いので、それを美容師としても今後生かしていきたいです。ただヒゲが苦手な女性がいるのも事実なので、良い効果だけではないですが。
-ヒゲの先輩として、これからヒゲを伸ばそうと考えている人にアドバイスはありますか?
そうですね、デザインとしては自分のヒゲが生える部分、生えない部分を理解して、その範囲でできるデザインを選択すると良いと思います。生えない部分を無理に生やそうとすると、無精ヒゲに見えてしまいます。またファッションの系統と、ヒゲのデザインが合っていれば、基本的にどんな人もヒゲは似合うんじゃないかなと思っています。あとは僕みたいに長く伸ばすなら、乾かすときはちゃんとドライヤーをあてて地肌まで乾かすこと。頭皮と同じように、地肌が清潔じゃないと匂いがするので、これは重要です!
<プロフィール>
VeLO
アシスタンリーダー/原 康之(はら やすゆき)
1988年生まれ。山口県出身。大村美容専門学校卒業後、『VeLO』に入社。現在アシスタント9年目で、アシスタントリーダーを務める。
(取材・文 福田真木子)
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