そのヒゲはこだわり? 作戦? メンズ美容師のヒゲブランディング論
男性だけのおしゃれの特権、ヒゲ。もしヒゲを伸ばすと決めたなら、美容師として自身のブランディングに生かさない手はないのでは? そんなわけで今回はこだわりのヒゲスタイルを貫く2人のメンズ美容師に、自身のヒゲブランディング論を語っていただきます。伸ばす? 伸ばさない? 伸ばすならどんなデザインのヒゲにする? 今宵は鏡を前にして、自分の顔と向き合ってみてはいかがでしょう?
LIM・木村太一さん
新規指名客を呼ぶ、こだわりの「カイゼル髭」
-木村さんは今のヒゲスタイルには、どんなこだわりを持っていますか?
今のスタイルは「カイゼル髭」というデザインです。スペインのシュルレアリスム画家・サルバトール=ダリが好きで、彼の象徴的なスタイルでもあるこのヒゲスタイルにしています。こだわっているのは左右の均等なカール感と、毛先の上に上がる角度です。ワックスをつけてスタイリングし、綺麗なカールをキープしています。
-かなり特徴的なヒゲスタイルで目立つと思うのですが、このヒゲスタイルにして良かったことはありますか?
お客さまからはとても好評価をいただいています。サロンのホームページで写真を見て、「ヒゲが気になったから」と指名してきてくださるお客さまも多いです。他のサロンの方から声をかけていただいたり、街でもすれ違う人の目にとまったり、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなっています。あとお客さまからヒゲのデザインが入ったお土産をよくいただきます。ありがたいなと感じています。
-ヒゲを伸ばし始めたきっかけはありますか?
高校生の頃から生やしているので、自分にとってヒゲを生やしているのはもう当たり前。きっかけは思いだせないですね。ちなみにこのヒゲスタイルにしたのは、5年前くらいからです。このスタイルにした直後は、会う人みんながヒゲのデザインに触れてくれてチヤホヤしてもらっていました。
-ヒゲのお手入れって大変そうですが、どのようにされていますか?
そんなに大変ではないですよ。洗うのは普通に洗顔のみで、シャンプーやトリートメントなどはしていません。お手入れのカットはスタイリングしている状態で、カイゼルの先端や唇の上の長さをシザーで整えています。口の下とあごヒゲはアタッチメントをつけたバリカンで。周期は3日に1度程度です。日中は毛先が乱れないように、ということだけは気をつけています。
-ヒゲはメンズ美容師のブランディングの一助になり得ると思いますか?
思います。先ほども言いましたがカイゼル髭にしてから、ヒゲをきっかけにご来店されるお客さまも増えましたし、ご紹介いただけるきっかけにもなっています。このヒゲはいち美容師として、人の記憶に残る武器になっているなと感じています。
-ヒゲを伸ばそうと考えている人にヒゲの先輩としてアドバイスはありますか?
自分のヒゲ以外のことはあまりわかりませんが……ヒゲの生え方にも個性があると思いますので、まずは自分のヒゲの生え方を知ることから始めるのがいいのではないでしょうか。ヒゲもデザインできる毛髪と考えてしっかりスタイリングし、まめに整えるようにすれば、清潔感を持って楽しめると思います。
<プロフィール>
LIM
大阪エリアディレクター/木村太一(きむら たいち)
1983年生まれ。香川県出身。グラム―ル美容専門学校卒業後、『LIM』に入社。大阪エリア6店舗をまとめる大阪エリアディレクターを務める。
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