「ヘナカラー」ってサロンメニューで使えるの? 美容師なら知っておきたいヘナカラーのウソ、ホント
美容師にとって、ヘナカラーメニューはメリットがある?
-思った色を出すようにするのは難しい?
→ウソ。普通のヘアカラーと同じで練習して、経験を積めば美容師なら誰でもできます。
基本のレシピがありますし、お客さまの髪質を見て微調整していくのは普通のヘアカラーと同じですから、特別難しいことはありません。さまざまな髪質で施術しなければ、経験値は上がりませんから、まずは基本のレシピでお客さまに施術させていただくのが良いと思います。
ちなみにヘナとインディゴの話はしましたが、上級編としてはウコンをブレンドするレシピもあります。ウコンの黄色を配合すると、少し色相が変わるのでヘアカラーに透け感が出て、軽い色に仕上がります。
-ヘナカラーなら美容師も手荒れしないって本当?
→ホント。Graciasのスタッフは手荒れをしていません。
普通の美容室を経営していた僕が、ヘナカラー専門のサロンに切り替えた理由のひとつは、スタッフの手荒れやアレルギーによる離職が続いたことでした。スタッフが長く働いてくれるサロンをつくりたいとう気持ちから、化学薬品を使用しない専門店をつくろうと考えたのです。現在、Graciasはヘナカラー専門というだけでなく、ノンケミカルサロンとしてパーマメニューなど化学薬品を取り扱うメニューは行っていません。
とはいえ自然のものはすべて安全なわけではありません。植物に対してもアレルギー反応が出る人もいますし、毒を持っている植物もありますから。ヘナカラーに関していえば、そばアレルギー、マメ科アレルギーの方は染めることができないので注意が必要です。
-アルカリカラーに比べて時間がかかるんですよね?
→ホント。でもその時間の使い方で、サロンの価値が上がることも!
ヘナカラーの放置時間は45分から1時間程度。アルカリカラーのグレイカラーは30分程度だと思いますので、やはり時間はかかります。
ただうちのサロンでは、その放置の時間をサロンの価値を上げる時間だと捉えています。たとえばハンドマッサージメニューを提供したり、アシスタントがお相手をすることで顔を覚えてもらったり、店販商品が売れたり。お客さまにとってもサロンにとっても、滞在時間が長いことをメリットに変える方法はいろいろあって、僕はそれこそ経営手腕の見せ所だと考えています。
あと技術者としても、これだけの放置時間があると他のお客さまのカウンセリングからカットまでを一気にできたり、ヘナカラーの塗布を自分でできたりと、サロンワークはかなり組み立てやすくなりました。
インドのヘナ工場での作業風景。純度の高い製品をつくるために、人の手によって選別作業を行っている。
- プロフィール
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Gracias
河本和紀(かわもと かずき)
オーナー/1978年生まれ。2008年より奈良県生駒市でサロン経営を行っていたが、2011年にコンセプト、サロン名を変更し、天然ヘナ専門オーガニックサロン『Gracias』をオープン。現在、ノンケミカルサロンとしてヘナカラー、カット、ヘッドマッサージメニューのみを展開している。またインドのヘナ工場と業務提携し、天然ヘナカラーの製造・輸入販売も行っている。
(取材・文/QJナビ編集部)