「デザインとは、自分と向き合うこと」HEAVENS小松敦さんが語る“ヘアデザインの本質”

新しいヘアを生み出したければ自分と向き合わないと!

 

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-小松さんは、コンテストで審査員をされることも多いのですが、長年、審査をしてきて感じることはありますか?

 

たしかにコンテストの審査を担当することが多い方ですね。最近、コンテストに出る人のスタンスが真っ二つに分かれていると感じますね。“評価されたい美容師”と“自分らしさを追い求めていきたい美容師”と。

 

今は、雑誌、WEB、SNSなど、ヘアデザインを発表する場がたくさんありますよね。それらの媒体は、ほとんどが集客目的です。いくら新しいヘア、素敵なヘアといっても、モデルさんのヘア、ベスト10のヘアなど、すべて迎合したヘアで積み重ねられている。迎合したヘアが流通しているあまり、美容師のなかで、新しさを産み出そうとする意識が乏しくなる。新しいデザインを産み出すためには、自分とはなにか。自分自身の価値観。どういう美容師なのか。自分と向き合うことが必要なんです。

 

コンテストもそれと同じ。去年これが優勝したから、審査員がこの人だから。そうやって迎合して優勝しても、ランキング入っても、自分から湧いてきたデザインではありません。評価されることを作っていくのか、自分らしさを追い求めていくのか。どちらも間違いではないんだけど、せっかくコンテストに出場するなら、自分のもので挑戦していってほしいと思いますね。よく見たようなデザイン、誰々のデザインを真似しているということは、やはり審査員にはわかってしまうので、評価しにくいし、もったいないです。

 

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サロンワークで作るヘアのデザインで大切なことは?

 

全部とは言わないにしても、サロンワークでもどこかに新しい要素を入れていくべきだと思いますね。ちょっと短く切るとか、バランスを変えるとか、前髪のテイストを変えるとか…。常に新しいデザインのローテーションを入れていけるような、そういうヘアが作れる美容師でいてほしい。

 

“みんなに評価される”、“素敵といってもらえるデザイン”も大事なんですが、自分の中で踏み込むのに不安になるとか、勇気がいるとか、そういう価値観の捉え方をしてみてもいいんじゃないでしょうか。自分らしさを追い求めた結果、それが評価されるとは限らないですよ。でも“自分らしさ”を捨てちゃダメ。「評価されるか不安。このデザインを世に出すのに勇気がいる」そう思うかもしれない。でも自分がいいと思ったら表現しないとね。それがデザインをする、ということですよ。

 

どこの世界でも、迎合したくない、新しいデザインを出していきたいという人は少数派なんですよ。3%くらいですね。でも、そのたかが3%がいろいろな価値を作って、それが放射して流行するんです。

 

>デザイン力を培うために大切なこと

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