ブリーチなしのカラーは薬剤レシピが命！　ピンクだけのためにメーカーと契約することも

ーーブリーチをしないスタイル作りは技術的にも大変だと思いますが、やはり相当研究されたのでしょうか？

ものすごく研究しましたね。

レシピもたくさん作ってテストもしたし、カラー剤だけで何社も入れています。例えばあるメーカーのピンクが優秀ということになれば、そのピンクだけを取り入れるためにメーカーと契約することもあります。薬剤にはすごくこだわりがありますね。

ブリーチをしたら簡単にできるけれど、ブリーチなしでいかに発色良い色に近づけるかということが大事なので時間をかけて研究しました。

あとは、お客さまと一緒に「ヘアスタイルを育てていく」というも意識しています。ブリーチをすると一度でガラリと色を変えることはできますが、ブリーチなしだとそういうわけにはいきません。でも、例えば、お客さまに「半年先の成人式にこの色にしたい」という希望があれば、「1回のカラーでは難しいけれど、次のカラーで近づけることができますよ」と、未来提案はすることができます。トレンドサロンはお客さまの入れ替わりが激しいイメージがありますが、半年先、1年先の未来のスタイルまで一緒に作っていくこともできるんです。

ーー定着率にも繋がるということですね。集客でいうと、Instagramからというお客さまは多いですか？

Instagramとお客さまからの紹介が圧倒的に多いですね。

Instagramでの発信を可愛い女性のスタイルばかりにしていると、メンズカットの割合が少なくなりがちと思われるかもしれませんが、実はまったくそんなことはなくて、男性のお客さまにもよく来店いただいています。サロンの内装は女子っぽいですが、セット面同士が離れているので、隣の人を気にせず来店できるようです。

面白いのが、僕の作るヘアスタイルの世界観が好きな女性が彼氏さんや旦那さんを連れてきてくれることがよくあるんですよ。男性って、女性に比べると髪型を大きく変化させるのをためらう人も多い。でも、彼女から「こんな髪型にしてほしい」と言われると、最初はちょっと抵抗を感じていても、男性も実は心のどこかでは「変わってみたい」という気持ちがあるのと、「彼女が喜んでくれるなら」という思いでチャレンジする気になるようです。もちろん僕も本当に嫌じゃないのか確認しながら施術しますが、彼女が理想とする彼氏像を作っているようで、新しいヘアスタイルを気に入ってもらえれば、男性も新しい自分を好きになれる。彼女にとっても彼氏にとってもwin-winですよね。

＞お客さまのInstagramを見れば、求めているヘアスタイルも見えてくる