企画のスペシャリスト! grico原田直美直伝「アイデアを実現させる5つの成功ポイント」

<5.利益の生み出し方>一つの企画で3つは利益が出る仕組みを考えよう

 

 

どういう企画をすれば利益が出るのか考えるのも重要です。無償でやるのは簡単ですが、私の中では利益が出ないことはやる意味はないと考えています。それも、一つの企画に対して3~5つは利益が生まれるように考えるべきだと思っているんです。

 

たとえばgricoでは洋服も販売していますが、そこから生まれる利益は「売上」だけじゃありません。

 

売上に加えて、美容室で服を売っているのは珍しいので、それだけで「話題」にもなる。お客さまがgricoで服を買って「幸せ」になってくれるのも嬉しいし、それを着たお客さまがファッションスナップで取り上げられれば、「宣伝」にもなります。

 

更にgricoを知らない人がそのスナップを見たら、お店に来る「きっかけ」になるかもしれない。それに、撮影用の衣装もこの服を使えると、「時間の短縮」にもなります。

 

利益と言うと、お金にばかり注目しがちですが、目に見えない利益もこんなにあるんです。

一つの利益だけを追求しないというのは、リスクヘッジにもなります。服の場合は、店舗を借りているわけでもないのでもともとリスクはないのですが、もし売れなくてもマイナスなことってないんです。売上以外の利益が5つ準備してあれば、失敗せずに済みます。

 

 

原田流ノウハウの集大成だった韓国メイクイベント

 

こうした活動の集大成となったのが、今年6月に行った韓国の人気美容師gunhee(ゴニ)さんとコラボした韓国メイクイベント。

 

 

もともと韓国には詳しかったので、彼のことを知っていました。5年程前に日本に遊びにきたのをSNSに上げていたので、知り合いではありませんでしたが、DMを送ってみたんです。当時は挨拶程度で終わったのですが、昨年の夏くらいに、gunheeさんが青山に美容室を出したのを知って改めて連絡しました。

 

そのときは、コラボすると、お互いにとってメリットがあるというプレゼンをしました。彼は韓国ではテレビに出るような有名人、gricoは日本で人気の美容室なので一緒にやれば両方とも美容室の認知度が上がるし、業界誌のかたにも紹介することもできるという話です。それで、ぜひ一緒にやろうということになったんです。

 

彼だけでなく、会場となる場所を借りたクライアントや、当日の音楽を担当するアシスタントなど関係者全員に、それぞれのメリットとワクワク感を共有できたからこそ、80人ものお客さんを集めることができました。

 

 

自分の企画が成功すると自信がつくというだけでなく、一人の力では不可能なことも成し遂げられます。感謝の気持ちが連鎖し、よりたくさんの人に喜んでもらえる。そのときの充実感が癖になって、次はどんなことをやろうか、いつもワクワクした気持ちになれますよ。

 

プロフィール
grico
原田直美

スタイリスト歴14年。gricoにて店長を務める。2014年より、サロンワークと並行し、これまでの経験、実績を活かし、本格的にヘアメイクアーティストとしての活動を開始。スタイリストとして活躍しつつも、ファッション誌や広告等の撮影用へアメイクや、企業向けのメイクアップ講座で専属講師を勤めるなど、幅広い分野で活躍中。

 

(取材・文/須川奈津江 撮影/菊池 麻美)

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