「御利益カット」で「結婚させる美容師」って一体何者!?−BEAUTRIUM/加山有福さん−
長年のサロンワークで培ったデータベースが武器
―えー! 「だからモテない」ってお客さまに言っちゃうんですか。
言います。はっきり言っても大丈夫な人はわかるので。話し方や表情で大体わかるんです。
僕は美容師歴が20年年あります。何万人という女性の髪を切ってきているんですよ。もしかしたら10万人超えているかもしれないですけれど。しかも、女性にとって大切な髪に直接触れるというコミュニケーションをしながら。カウンセリングやちょっとした会話、鏡越しの表情や読んでいる雑誌、仕草から伝わってくるものがたくさんあるわけです。
それに加えて、通勤電車の中でも女性の髪を見ていますからね。「もうちょっと髪明るくしたらもっとモテそうだな」とか思いながら。かわいい子をずっと見ていたら車両を変えられることもあります(笑)。そして、「なんで僕は今、かわいいと思ったのかな?」って考えるわけです。かわいいには理由がある。魅力があるってことなんです。結婚できない人は、魅力がないか、自分で魅力をかき消してしまっているんです。
―結婚できない理由があると。
美人なのにモテなくて、結婚もできないってことは恐らく性格に何かしらのクセがあるわけじゃないですか。すごくワガママなところがある、とか。だからヘアデザインはもちろんなんですけど、まずは魅力的になってもらわないといけないわけです。
―男性にとって魅力的になってもらうわけですね。
男性って女性が想像しているよりも超単純。顔がかわいいとか、おっぱいが大きいとか、しゃべり方がかわいいとか、いろいろありますけど、やっぱり1番は外見から入る方が多いかなと思いますね。そうなると、黒髪でファッションも地味だと、男の人の目を引かないと思います。結婚相談所でもまずは第一印象をよくするためのアドバイスをしていますが、僕がやろうとしているのはそれと同じですよね。
結婚したい女性を、男性のストライクゾーンに放り込む
たぶん、普通の美容師さんって「はじめまして。今日はどうしましょうか?」という具合にカウンセリングすると思うんですよ。お客さまも髪を切られるつもりでサロンにきていると思います。でも僕は、「髪を伸ばしましょう」と伝えることもあるし、「身長はいくつですか? 小柄な人にはロングは似合わないので切りましょう」と伝えることもあります。
―サロンで身長を聞かれることはあんまりないかもしれないですね。
お客さまにどこまで言っても大丈夫なのか見極めた上で「丸顔だとボブは似合わないです」とか「3カ月の間に痩せてもらいたいし、髪を伸ばしていただきたい」などと言うこともあります。
―そうやって男性のストライクゾーンに入れていくと。
そうです。「もっと髪色を明るくしたほうがモテます。ファッションも変えましょう」と自信を持って提案します。結婚したくてもできない女性は、地味な場合が多いです。黒髪が悪いわけじゃないけれど、ほとんど黒髪です。話を聞くと、これまで通っていた美容室で、カラーを提案されたことがないみたいなんですよね。「カラーしましょう」と提案しても、職業柄できないって言われることもあります。その時は「じゃあその仕事辞めればいいじゃないですか」ということも。言っても大丈夫な人にしか言わないですけどね。
―かなり大胆な提案をするんですね!
ころんと太っていると感じたら「痩せたほうが結婚できますよ」とストレートに伝えることもあります。「美容室で痩せろって初めて言われました」と言ってくれますよ。「運動するとやる気ホルモンが出るし、筋肉がついて代謝が上がって太りにくくなるし、最高ですよね」と遠回しに伝えることもあります。結婚したいと願っている相手を想っての提案ですから、今のところクレームもないですよ。