インスタで人気の「#フルールヘア」。アレンジとSNSが苦手だった美容師が打ち出した「ゆめかわいい」ブランディングとは

 

インスタグラムで評判の「#フルールヘア」は、花をモチーフにしたお姫さまのようなかわいらしいヘアスタイル。髪の毛でバラなどの花、リボン、ハート形を施したフォトジェニックなアレンジは「ゆめかわいい」と若い女性から人気です。そこで、今回はフルールヘアを編み出したフリーランス美容師の山本聖矢(やまもとせいや)さんにインタビューを実施。フルールヘアをはじめたきっかけや発想の原点、こだわりなど、山本さんが狙うヘアブランディングについて伺ってきました。

 


 

「美容室嫌い」だった少年が美容師に。7店舗を経てフリーランスになった理由

 

 

実は僕、美容室が嫌いだったんです。中学生のころに美容室でやりたい髪型にしてもらえなかったことがあって。美容師さんの観点からすると変なスタイルだったのでしょうが、上から目線で「こっちが絶対正解だよ」と言われる感じが嫌になってしまったんです。「じゃぁ、自分で切ろう」と切っていたら、友だちにもお願いされるようになり、失敗しつつも友だちの髪を切っているうちに、美容師を目指すようになりました。

 

フリーランスになるまでは、独立を目指していたこともあり、幅広い技術を学びたくて1年ごとにお店を変えていました。合計7店舗を経験しています。新卒で入った池袋の美容室はナチュラル系の客層が多かったので、若い子のカットを学びたくて原宿へ、それから質のいい接客を学びたくて銀座、ご年配の方のカットと苦手だったブローを学びたくてひばりヶ丘、その他にも下北沢、代官山などそれぞれの店で、いろいろなテイストのカットや接客の仕方を学びました。

 

フリーランスになったのは2017年7月。常々、会社から指示をされるよりも、自分で考えたほうがペースや気持ちが安定するんじゃないかと考えていたんです。会社にいるといろいろなことを言われますよね。「この商品を売れ」とか、「このメニューをすすめろ」、「こういう客は早く帰らせろ」とか。例えば新しい薬剤が入ってきたときには、サンプルだけじゃなくてちゃんと自分たちで使ってから提供したいと僕は思っていたんですが、それを言うと、反感を買ってしまうことがあって…。自分の思いが強すぎて、上層部とぶつかることが多かった。それなら、僕のペースでできるフリーのほうが気持ちが安定して仕事ができるんじゃないかと思ったんです。そのタイミングで子どもができたこともあり、安定を求めてフリーになりました。

 

フリーランスになってお客さまが半数減。しかしお客さまの一言がターニングポイントに

 

念願だったフリーですが、最初はなかなかうまくいきませんでした。当時はSNSを活用することもなく、顧客と口コミのみで集客していたんです。さらにフリーになれば、シャンプーからブローまですべて自分ひとり。なので、お客さまのかけもちができず、1日に担当できる人数も限られます。

 

ありがたいことに7店舗を経て、信じて僕についてきてくれたお客さまもいましたが、人数は半分になりました。施術した分がそのまま自分の稼ぎになるので、手取りはあまり変わらなかったのですが、お客さまの人数がどんどん減っていったことは、かなり不安に感じていました。

 

妻は「なんとかなるよ!」と楽天的でしたがが、「どうにかしないとな」と思っていたとき、お客さまから「インスタグラムはじめてみたら?」と言われたんです。しかし、それまでインスタグラムは細々と更新していただけだったし、苦手意識もありました。

 

>苦手だったインスタグラムで「フルールヘア」がブレイク!

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