湿気に負けるな! クセ毛のお客さまのための梅雨どきフィニッシュワーク&アドバイス
クセの「好き」と「困った」を共有して、サロンにいる一瞬も不安にさせない
―テクニック以外にフィニッシュワークで気をつけることはありますか?
目指す仕上がりや、クセ毛の悩みを、お客さまとちゃんと共有をすることです。
クセ毛のお客さまって、実は濡れているときの髪の毛は好きという方が多いんです。でもその状態を保てると思ってはいないんですよね。だからウエットカットのタイミングで、クセを好きだと思える状態がどんなときかとか、どういう部分が扱いにくいと思っているかなどを共有し、そのうえでウエットな質感の仕上がりを目指す提案をしていきます。
それをしておかないと、ドライしたときに不安になったり、恥ずかしいと思ってしまう人も多いんです。仕上がりがどんなに良くても、サロンにいる間にそんな気持ちを味わせたくないですよね。
あと言葉でちゃんと伝えないと、お客さまが自分でもやってみようと思えないですし、クセを生かせるということにも気づけません。そう、言葉で伝えるのってすごく大事です! 美容師側がどんなにその方のクセの良さや生かし方に気づいていても、言わなければお客さまは知らないままですから。
―ちなみにストレートパーマを提案することはありますか?
ありますよ。でも全部かけるのではなく、やりたいヘアスタイルに対して必要な部分にだけかけることが多いです。生かせるクセは残しつつ、必要のない部分のクセをとってあげると、美容師もお客さまもすごく楽になるので。全頭にかけると、伸びてきたクセ毛が際立って、さらにクセが嫌いになってしまうこともあるので、提案には気をつけています。
また、フェミニンやコンサバティブなファッションを好む方の場合はツヤ感のあるヘアスタイルが合うので、そういう場合は、ストレートパーマを選択することはあります。クセがあるとどうしてもツヤのある質感は難しいですから。とはいえ私の場合、全頭ストレートパーマを選択することはとても少なくて、かけているお客さまは2人だけですね。
ストレートにするにしても、クセを生かすにしても、お客さまが自分の髪を好きになってくれることと、お客さまの気持ちをわかっている美容師だよ、というのを伝えるのが大事だなと思っています。
- プロフィール
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Cocoon
ディレクター/SAKURA(さくら)
都内1店舗を経て、「Cocoon」のオープニングスタッフとして参加。骨格に沿ったカットでクセ毛を生かすのが得意。多くのクセ毛のお客さまに頼りにされている。この春、自身がディレクションをするスタイリング剤も発売。
(取材・文/福田 真木子 写真/河合 信幸)