美容師とファッションブランドのディレクター、2つの顔を持つmacaroni coast 中澤保人さんの挑戦

ファッションの仕事をしたことで、美容師の楽しさを再発見

 

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-HPを拝見しましたが、海外のデパートやセレクトショップなどでも購入できるようで、とても順調そうですね。HPページが英語表記なので驚きました。

 

「あれはちょっと、見栄を張りました(笑)。海外の店舗にも置いてはもらっているのですが、数枚単位だし、まだまだですよ。でも、イタリアのVOGUEにニューカマーのブランドとして紹介してもらったんです。海外だと、僕らみたいなブランドにも光を当ててくれるのがいいですよね。その分、売れないと厳しい。しばらく置いても売れなかったら、すぐにお払い箱にされてしまうし、一度、お払い箱になったら、二度目はないっていう…。

 

うちのブランドは、30~40代のメンズをターゲットにしているから、生地も仕立てもしっかりしているんです。その分、買いやすいとは言えない価格になってしまうので、そこが課題ですね。カジュアルラインやレディスのラインもつくってほしいという声もあるので、今後はそういったことも視野に入れて活動していく予定です」

 

-そのうち、「Patchy Cake Eaterの仕事の方が、美容師よりも楽しい!」なんてことになったりしませんか?

 

「それはないですね(笑)。やっぱり、僕は美容師という仕事がすごく好きなので。ファッションは、色々な人の手を経る分、タイムラグも多いし、思い通りにならないこともあるんです。美容師は、その点、自分で全部できますよね。その場ですべて完成できるというか。それが美容師という仕事の楽しいところですよね。ファッションの仕事をしたことで、美容師の仕事の楽しさを再発見することができました。

 

それにね。美容師って、常に長さと向きあっているので、ミリ単位での計算が得意だと思いますよ。頭の中で、フォルムの足し算、引き算がイメージできるので、例えば『このウエストを1㎝詰めて』とか、『長さを2㎝短くして』などといったこともイメージできるので、ファッションの仕事をするのに向いているんですよ。美容師とファッションの仕事の両立は、どちらにとってもメリットがあるので、これからもバランスを取りながら続けていきたいと思っています」

 

プロフィール
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President/中澤保人

SHIMAで3年半勤務後、1995年、DaBのオープニングメンバーとして参加。2010年にmacaroni coastをオープン、2012年に「Patchy Cake Eater」をスタート。美容師としてはもちろん、ファッションブランドのディレクターとしても国内外から評価されている。

 

(取材・文/QJナビ編集部)

 

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