ターゲットはF2層! 大人の女性客に愛されるサロン作りを探る | 「amiliea by ZA/ZA」
ひと昔前までは美容室のメインターゲットは若い女性客でした。でも今は、お金に余裕のある30 代から40代の“大人の女性”が消費の中心に位置しています。もしかしたらこの年齢層のお客さまの心を掴むことが美容業界で生き残る鍵になるかも?
今回は30 代から40代の客層にターゲットを絞って東京・神楽坂に出店している「amiliea by ZA/ZA」(アミリア バイ ザザ))のマネージャーを務める黒岩真由美(くろいわまゆみ)さんに“大人の女性”が求めるサービスとは何かを伺ってきました。
消費の中心である“団塊ジュニア”の方々と年齢の近いスタイリストがおもてなし
-amiliea by ZA/ZAさんがターゲットにしている客層は30代から40代の女性だそうですが、なぜその年齢層のお客さまに絞ったのか? 理由を教えてください。
今は、30代から40代のいわゆる“団塊ジュニア”の方々が消費の中心。そんな消費世代の専業主婦、キャリアウーマンの方たちに満足していただけるサロンを作りたいと思いました。実は、髪の変化を感じ始めるのは、早くて30代、そして「マズイな」と感じ始めるのが40代くらいなんです。そんなお客さまたちの髪の悩みをデザインを通して解決したいと思い新ブランドを設立しました。幸い、私たちZA/ZAグループは歴史が長い分だけスタイリストたちも同じように年を重ね、30代40代の熟練した技術を持つスタッフが多いんです。ターゲット層と近い年齢のスタイリストがお客さまに寄り添いながらサービスをできるのが私たちの強みです。
-30代から40代のお客さまが来店しやすくするために、どのようなサービスを展開していますか?
まずは空間づくりに気をつけました。フロア全体をエレガントな雰囲気に統一し、ゆったりとしたお店づくりを目指しました。中でも自慢は大きなテラス。ここでは付き添いでいらっしゃったご家族の方がくつろいだり、予約の時間までの待機に使っていただいたり……。都心でありながらこのあたりは高いビルがほとんどないので、開放感が味わえるとお客さまにも好評です。
ほかには音響です。レセプション、シャンプー台のある空間、フロアとそれぞれ音楽を変えています。場所によって気分を変えていただきたいと、それぞれ季節にあった選曲をしています。あとは、時間ごとに違うアロマオイルをたくとか。五感で楽しんでいただくのが、amiliea流のおもてなしです。
大人の女性客に好評のテラス
-視覚、聴覚、触覚、嗅覚に刺激を与えるお店作りをしているということですね。では残りの味覚はいかがでしょうか?
当店オリジナルのハーブティを用意しています。これは、ZA/ZAグループの4店舗でやっている取り組みなのですが、お店によってブレンドするものが違うんですよ。例えば、当店にいらっしゃるお客さまは冷えやホルモンバランスなどを気にされる方が多いため、ルイボスとローズヒップ、ジンジャーをブレンドしたお茶を提供しています。場所によって客層が異なるので、お客さまのタイプに合わせたハーブティを用意しているんです。
-提供されているサービスのなかで、「これは失敗したな」と思ったものはありましたか?
SNSを使った仕組みなのですが、“amilieaボード”の反響は乏しかったので、再考の余地があるかな、と思っています。“amilieaボード”は、美しくなった自分をすぐにSNSにアップできるように作ったうちのオリジナルパネル。スタイリストと写真を撮ることで親近感を持っていただきたい、そしてお店をSNSで広めていただければという思いがあって設置したのですが、大人の女性はSNSにご自身の写真を載せるというのは、恥ずかしいという方が多いようで、利用される方が少ないのが分かりました。
客層に合わせたオリジナルのハーブティを提供
- 1 2