僕が美容師さんから学んだこと。gricoエザキヨシタカさんのサロン遍歴に迫る!
お客さまが自慢できる美容師こそがかっこいい!
-客としてサロンに通った経験や自分のサロンを持った経験から導き出された、「エザキさんにとってのカッコいい美容師」の定義を教えてください。
お客さまの大半って、“美容師じゃないお客さま”ですよね。きっとお客さまは、一般教養も、収入も、自分と遜色ない人に切ってもらいたいと願うと思うんです。でも現実は、低所得だし、チャラチャラしているしっていうイメージが先行しています。そこを変えたい。美容師は、頭の中もおしゃれだし、文化とかカルチャーとか、食べるもの、話し方、生き方もおしゃれじゃないといけないと思うから。
今日、お客さまからメールをいただいたんです。ある雑誌のインタビュー記事を読んで感動したからと、連絡をくださったんです。このお客さまに限らず、ほかのお客さまも僕がやったこととか、僕が載っている本を必ずチェックしてくれるんですよ。それって、きっと僕が彼らの心の中では、兄ちゃんだったり、父ちゃんだったりするからだと思うんです。
お客さまに元気がなかったら、髪を切りながら話を聞いてスッキリ帰ってもらったり、逆に、お客さまの話を聞いて、僕たちがモチベーションをあげてもらったり。ずっと一緒にいるわけだから、美容師とお客さまって、髪を切る、切られるだけの関係じゃなくて、心で繋がっていないといけないと思うんです。そういう意味でも、カッコいい美容師っていうのは、お客さまが自慢できる美容師。「美容師さんって人生を変えられる職業ですごいよね」って、お客さまが誇りに思える美容師だと思います。
- プロフィール
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grico
代表/エザキヨシタカ
大手サロンに就職後、1年半でスタイリストに。09年、原宿にヘアサロン「grico」をオープン。雑誌や業界誌で活躍するほか、異業種のコラボレーションも。airの木村直人氏とともに、オンラインサロン、マルチバース主宰。美容師としてだけなくて、経営者として、美容業界の内外から注目の的。
(取材・文/池山 章子 撮影/当山 礼子)