僕が美容師さんから学んだこと。gricoエザキヨシタカさんのサロン遍歴に迫る!
アシスタントは敢えて変わったヘアスタイルをしていた方がいい
-高校卒業後は、福岡にある大村美容ファッション専門学校へ。福岡時代はどんな美容師さんに切ってもらっていたのですか?
専門学校の先生に髪を切ってもらったり、大学生の彼女におすすめされた美容室に行ったり。どの美容師さんにカットしてもらいたいとかっていう憧れもなかったし、あくまで美容師っていう職業でしか見ていなかったんですよね。なんでそういう考え方を抱いていたかというと、僕が憧れで美容師になったわけじゃなくて、生きていくための仕事として美容師を選んだからだと思います。僕、進学校に通っていたんですよ。で、高校の友だちは、国立の大学に行って大企業に就職しているという人が多い。大企業で働く彼らに年収で絶対に負けなくない、美容師として稼ぐぞ! と心に決めていたんです。
-先生のカットはいかがでしたか?
カットそのものよりも、先生との話が興味深かったんですよね。先生といっても、美容室を経営するオーナーでもあって。お客さまを呼ぶためにキャバクラに行って営業しただとか、サロンを経営するノウハウをいろいろと教えてもらいました。その先生が、僕に「絶対に東京に行け。行かないんだったら、長崎に帰れ」と言ってくれたのがきっかけで東京に行くことに決めたんです。とても尊敬している先生です。
-上京して、最初のサロンに就職してからは?
上京してからも、東京のサロンに行くわけでもなく、先輩にカットしてもらっていましたね。あるとき、先輩にカットしてもらったら前髪バッツンにされて変になったので、店長にカットしてもらったんですよ。そしたら、さらに変になって! その足で別のサロンに行って切り直してもらいました(笑)。
-(笑)。
でも、今考えるとアシスタントの頃なんて、変な髪でいいんですよね。
-そうなんですか?
だって、アシスタントって、まだ何者でもないじゃないですか。美容師でもなんでもない、ただのアシスタントなんだから、変な髪型にして目立つ方がいいんですよ。
-確かに撮影に行ってもその方が目立つから、編集やライターも顔を覚えますよね。
そうなんです。そういう意味では、それを生かせなかった僕がおしゃれじゃなかったんだなと反省はしています。ただ、本当に似合ってはいなかったですけどね(笑)。