僕が美容師さんから学んだこと。gricoエザキヨシタカさんのサロン遍歴に迫る!
美容師としてはもちろん、経営者としても業界内外から注目を浴びているgrico代表のエザキヨシタカさん。北は北海道から、南は沖縄まで。エザキさんのもとには、毎日、日本全国から美容師や美容師の卵たちが訪れます。まさに日本一、美容師の髪を切っている美容師なのです。
そんなエザキヨシタカさんが幼少期、学生時代、そして上京してから通っていたサロンとは? また、その経験が、現在の美容師としてのキャリアに及ぼした影響は? 客としてのエザキさんのサロン遍歴に迫ります。
髪を切った後の軽い空気感が幼い頃から好きだった
エザキさんとお母さん
-エザキさんが最初に行った美容室のことを覚えていますか?
僕は長崎県出身なんですけど、地元に母親の知り合いが夫婦でやっていたバングっていう美容室があって、そこに行ったのが最初だと思います。まだ小学校に上がる前で、「キカイジャーの髪型にして!」と言って。
-子どもの頃から髪型に対するこだわりが強かったんですね(笑)
そうかもしれないですね。小学校、中学校時代からは、ずっと「とにかく短くして』とお願いしていました。サッカーの三浦知良さんにずっと憧れていて、でも僕は全然男っぽい顔じゃなかったから、すごくコンプレックスだったし、自分の顔が嫌いだったんですよ。それで、髪だけでも男らしくしたくて、とにかく短くしてもらっていました。
僕は女性の美容師さんにカットしてもらうことが多かったんです。なぜか、女性の美容師さんがカットした方が男っぽく仕上がるんですよね。今でもそうだと思うんですけど、よく言えば、女性の方が大胆、悪く言えば切りすぎちゃう。男性だともっと緻密に計算してカットするから、それが逆に丸みにつながって、女の子っぽく見えちゃって嫌でしたね。
小さい頃のエザキさん。髪が短い!
-幼少期に通った美容室にまつわる楽しい思い出はありますか?
うちは母子家庭だったので、おかんと一緒に美容室に通っていたんです。美容室に行った日には髪を切って、ご飯食べてから帰るっていうのが定番だったから、ちょっとしたお出かけみたいで特別感はありましたね。そのうち、バング(美容室)と並行してロイヤル田中っていう床屋にも行くようになったのですが、バングではバックシャンプーなのに、ロイヤル田中では頭をうつ伏せにしてシャンプーするのに驚きましたね。ロイヤル田中には漫画とかも置いてあるし、TVもついているし、バングとは全然違うなぁって。
-子ども時代に「美容師ってすごい!」と思った経験はありますか?
そうですね。美容室の名前は忘れてしまったのですが、外側がガラスになっていて、中から外の様子を見られる美容室があったんです。そのときに、お客さまがみんなうれしそうに帰っていくのを見て、すごいなぁと思ったことは覚えています。
それから、髪を切ったあとって、なんか軽いですよね。もちろん髪を切って量感を減らしているっていう実質的な軽さもあるんですけど、髪を切って外に出た瞬間にふわっと、なんともいえない軽い空気感というか。あの感覚が子どもの頃から好きでした。