DaB澤野さんに聞く! 大物になるスタイリストに共通する習慣とは?
「自分ならこうする」。伸びる美容師は主体的視点を持っている
-さまざまな後輩を見てきて、伸びる美容師に共通する特徴はありますか?
「なんであの角度で引き出したのか?とか、自分はこう思っていたけどなんでこうしたのか?っていう主体的意見を持って質問できることですね。スタイリストの作るものを眺めているだけのアシスタントが多いなかで、自分だったらどう切るかという視点を持てる子はテクニックの伸びも早い気がします。カラーとかブローなら1年目からでもそういう視点を持てますし、実際に的を射た質問ができる子もいます」
-漠然としか質問できない美容師には、どう教えるのでしょうか?
「そういう子に対しては、主体的な視点を持ちなさいという話はします。髪型ってなんとなくできているわけじゃないから、必ずその形を作るための方法もあるし理由もある。そこを理解できないと作り手にはなれません。ただ、人によってロジカルに説明して理解するタイプと、感覚的に理解するタイプとで分かれますね」
-大物になる美容師はどちらのタイプが多いですか?
「どっちも多いと思います。でも、昔は感覚的なものが先に立つ人が多かったかな。ただ、感覚的なタイプの人も、業界誌で解説したりその技術を人に教えたりしていこうと思ったらロジカルにならざるを得ない。僕はすべて感覚でヘアを作っていたけれど、誰かに説明しようと思ったらそこに理由が必要だし、そのプロセスを入れなければどうなるのか? っていうのも検証したから、ロジカルにもなれた。今の子は理屈や答えをすぐ欲しがるから、ロジカルなことを求められる傾向が強い気がしますね」
-DaB出身の美容師と、ほかのサロンの美容師とで異なる特徴は?
「形優先じゃなくて人優先。人ありきのデザインを提案できること、でしょうか。形が奇抜なものはいくらでも作れるけど、その人にフィットしていないと意味がない。業界的な言い方をすると“似合わせ”です。人に合わせていくっていうのは、DaBの特徴なんじゃないかな。モデル次第でヘアを作るから、奇抜なものを作らない。っていうか作れない。自分たちが作りたいものを形としてマスターベーション的に表現しないという点は、DaBのスタイリストに共通していることだと思います」