丸顔をさらに丸く見せる!? DaB八木岡聡氏が考える“似合わせ”の極意とは

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“技術”は“人のため”に身につける

 

-そうすると、技術は何を目的として必要になってくるのでしょうか?

 

「まさに、その疑問が必要とされます。なぜ技術を身につけるのか? というポイントを理解することが必要なんです。“技術を習得する”というと、例えばワイディング練習などの、行為そのものを覚えようとしてしまいがちになります。

 

反復練習はしないといけないものですが、それだけが軸になってしまうと、美容師にとって一番肝心である“人の魅力をつくる”ということを忘れてしまいます。

 

もしくは、“人のため”ということを忘れて“自分の技術のため”に練習をするようになってしまうんです。そうなると、デザインや似合わせなんて意識できなくなってしまいますね。

 

技術とは、デザインを作るための『基盤』であり、デザインの可能性を最大限に広げ、精度を上げるためのものでもあるんです。“人のため”になるデザインを生み出せるように技術を習得し、技術を身につけてデザインを学ぶことで、自然と似合わせることもできるようになっていくでしょう」

 

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-なるほど。似合わせとデザイン、技術、それぞれがしっかりと結びついているという意識が重要なのですね。

 

「そうですね。更に言えばデザインは“人のため”であり、その人自身の“存在を作る”ということだと思っています。それが“似合わせ”という概念に近いのではないかと考えていますね。

 

“存在を作る”という中に『ヘア』というパートがあるだけなんです。一回り大きい枠で考えたとき、ヘアだけを似合わせようとしても、その人自身に似合うものとは別のものになってしまうでしょう。

 

例えば、『お客さまの輪郭に対し、フィット感、小顔効果のあるヘアはこれだ』ということだけを考えて作るヘアはカタログ上だけでのこと。それを似合わせだと思ってしまうのは大きな誤解。もっと大事なことは、例えば丸顔の人でも、あえてそれを強調するということも、その人を魅力的に見せるという点では必要な場合もあります。

 

オーソドックスな考え方として、まず『輪郭を細く見せる』ベクトルがあります。その次に、その人の魅力を引き出すという部分で『輪郭を出した方がいい』と思えば、それをジャッジすることが美容師に求められます。そのジャッジを下すために、お客さま自身に対して今何が似合うのかを見抜くスキルや、デザイナーとしてのセンスが必要なんです」

 

-なるほど。大前提として、その人そのものにフィットしていなければ“似合わせ”とは呼べないということになってくるわけですね。

 

「私はそう考えていますね。ブロンドヘアや美白肌、足は長い方がいいとか、太いよりかは細い方がいいとか。そのような美意識はオーソドックスな考え方の一つ。それを知ることも間違いなく大事です。

 

しかし、それ以外の人たちに対して、どんなアプローチをするべきか考えることが重要です。基本、お客さまの中でプロモデルみたいに完成された人はほとんどいません。それをどのような切り口で魅力的に仕上げていくか、そこで『パーソナルデザイン』の理解度も必要になってきますよね」

 

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