手が風になり、風が美しい髪を創り出す -BEAUTRIUM 川畑タケルさんの習慣 後編-
スライドカットの生みの親であり、「美容師が憧れる美容師」としても知られるBEAUTRIUMの川畑タケルさん。その独特なカリスマ性が、どのような習慣から育まれたのかを聞くために、夏の七里ガ浜に行ってきました。インタビューは前後編の2回。今回は後編です。
旅をして、打ち解けて、仕事がうまくいく
これまでに僕は、ヒマラヤとかアイスランド、バルト三国や紛争後のユーゴスラビア、ほかにも世界中のマイナーな島々にも行ってきました。サーフィンとか撮影のために行ったところがほとんどで、特に雑誌がたくさん売れていた時代は、2ヶ月に1回はロケで海外に飛んでいましたね。今は昔ほどじゃないけど、年に数回は行っています。
僕は日本も好きで、月に1回くらいはどこかに行っています。たとえば、サーフィンの場合は、北海道にある島とか。熊がシャケをとっている横でサーフィンできるような、すごいところがあるんですよ。
旅に出るときは、サーフィン仲間や仕事仲間と行動するでしょ。だから旅の中ですごく打ち解けることができる。たとえば、Ron Herman(カリフォルニアスタイルのアパレルショップ)の社長さんと海外に行ったときは、そこで意気投合して福岡の出店につながりました。こんな風に、旅をして、サーフィンすると、仕事もうまくいくんです。
どの旅も素敵なんだけど、一番楽しいのは、仲間と組んで2週間くらいみっちり、いい作品をつくるためだけにする旅かな。
広告とか雑誌の撮影も楽しいんだけど、何かを売りたいとかそういう目的があってやるから、自分のやりたい表現を純粋に出せるわけじゃない。サロンの撮影とか、いいものを創るためにクリエイティブに徹する旅っていうのは、面白いですよね。