批判も受けたし、屈辱的な思いもした。それでもクリエイティブ人生を貫いた理由―ヘアメイクアーティスト・かあこさんの哲学

“守られない”フリーランスだからこそ、味方を多く作り、自分軸をしっかり持つ

 

2018年(第29回)JHAノミネート作品(Hai&Make-up_かあこ)

 

実は37歳で“店内独立”をしたとき、応援してくださる方の数と同じくらい、批判を受けました。独立して自分の店を持つわけでもない、まったく新しい働き方への挑戦だったので、知らない方から突然「どうせ“捨て犬”扱いされるに決まってる」「うちのスタッフが真似するからやめてくれ」といった内容のDMがSNS経由でくることもありました。セミナーのときも、最初はふんぞり返って見てらっしゃるオーナーさんもいらしたりして。

 

でもそんな方が、セミナーが進むにつれ姿勢を正したり、前のめりになってきたりすると「勝った!」って思うんです。その方から「かあこさんって、意外とちゃんと仕事するんだね」とお褒めの言葉をいただくことも(笑)。私は思いつきでフリーランスデビューしたのではなく、意外と地道にキャリアを積み重ねてきているんですから。

 

フリーランスは、自分自身に“生き方の軸”がないと、すべてが崩れる環境です。責任はすべて自分にありますから、「このまま一人でやっていくの、大丈夫かな?」と不安になることもあります。そんなときは、「このままでいいのか?」と常に自問自答しながら、ニーズに合わせて軌道修正を怠らない姿勢がフリーランスには不可欠だと思うんです。私が2003年に「ウエラトレンドビジョン」でグランプリを獲得したとき、タイトルを獲ったあとにシンデレラストーリーがあると勝手に思い込んでいました。でも、待っていても仕事がやってくるわけではなかったんです。積極的に働きかけなくては、本当の収穫は得られないのだと気がつきました。

 

>「自分がその気になれば、何だってできる」かあこさんが目指す未来とは

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