カウンセリング、変えてみない? お客さまとのイメージ共有力が高まるカウンセリングアイデア3
『botao ぼたん』の場合
心配事は来店前に解消! 「LINE」で行なう事前カウンセリング
LINEの登場でモデルとの連絡がとりやすくなった、お客さまが気軽に予約の連絡をくれるようになった、なんて話を聞きますが、さらに進んで「LINE」でカウンセリングを行うという方法も。昨年秋からLINEによる事前カウンセリングを始めた東京・代官山の『botao ぼたん』代表の高梨竜寿(たかなしりょうじ)さんに、事前にカウンセリングを行うよさや、LINEのよさを聞きました。
-LINEで事前カウンセリングを受けているそうですが、どのようにされているのですか?
もう言葉のままで、既存のお客さまの場合は次の来店までの間、初来店の方は予約前に相談ごとをLINEで送ってもらって、それにお返事するというものです。やりとりは1回では終わらず、サロンで行うカウンセリングのように言葉のキャッチボールを繰り返し、ヘアスタイルやメニューが決まったり、来店につながるなど、お客さまにご納得いただけるまで対応します。
うちではもともと個人のLINEアカウントで予約を受けていたので、時々お客さまからヘアスタイルやメニューの相談も受けていたのですが、昨年の10月から正式に「事前カウンセリングを受けつけています」という形で、お客さまにお伝えしたり、ホームページに告知し始めました。既存客ではない方は、サロンの公式アカウントにご連絡いただけるようにしています。
-なぜLINEを使って、来店前にカウンセリングをしようと考えたのですか?
常々お客さまがカウンセリングで全部の思いを話しきるのは難しいと感じていたからです。周りの雰囲気が気になってとか、緊張してしまってとか、ありますものね。また美容師側としても時間に限りがないので、ていねいにお客さまの悩みを掘り起こしやすいという点もメリットに感じました。来店時だけだとどうしても時間が限られてしまいますから。
LINEを使うことにしたのは、メールよりも気軽に相談しやすいと思ったからです。スタイルチェンジなどの大きな相談から、ちょっと気になるといった小さなことまで、気軽な気持ちでメッセージを送れるので距離感が縮まって、言い出しにくいことも言えるようになるのではないかと。あと画像を送りやすいというのも、ヘアスタイルのカウンセリングにとってはすごく良いですよね。
あと狙いとしては、美容室が決まっていない方、探している方の、相談を受ける窓口になりたいというのもありました。その他にも遠方にいて来店はできないけれど、うちのスタッフがつくるヘアスタイルが好きという方の相談も受け付けられたらいいなと。こちらのほうはまだまだなので、これから取り組んでいきたいです。
-事前カウンセリングをはじめたことへの、お客さまの反応は?
まだはじめたばかりなので、それほど相談件数は多くないですが、スタイルチェンジを考えている方や個性的なヘアカラーに挑戦したいといった方からご連絡をいただくことが多いです。ヘアカラーの話をしたら今度はダメージのことが気になってきた、というように、次から次に生まれてくる相談も、LINEなら時間をかけてお答えできるのでお客さまの不安解消に役立っています。
また美容師側としても、事前に相談を受けていると提案できる材料を揃える時間ができます。イメージを膨らませたり、ぴったりの画像を探したり。よりお客さまとの意思疎通が図れるので仕上がりのイメージにズレがなく、施術中もお客さまに安心してくつろいでいただけます。
-LINEを使ったカウンセリングで気をつけるべき点はありますか。
やはりお客さまとの距離感は大切にしています。気軽にやりとりはできるけれど、あくまで美容師とお客さまの関係性は崩さないこと。くだけた文章で書いても最低限敬語は使う、スタンプは使わない、などは気を使っていますし、スタッフにもそのように伝えています。
- プロフィール
-
botao ぼたん
代表/高梨竜寿(たかなし りょうじ)
埼玉県県出身。中央理容美容専門学校、宇都宮美容専門学校通信課程を卒業後、1店舗を経て、2011年、東京・代官山に「botao ぼたん」オープン。