#CinematicHair 誕生秘話。 CIECA. 野元亮太さんが生み出す、映画のワンシーンのようなスタイル動画と、ごまかしの効かない揺れるカットライン

 

リールやTikTokの普及で動画を投稿する美容師さんが溢れる中、独自の世界観で一際目を引くスタイル動画があります。それが、CIECA.(シエカ)の野元亮太(のもとりょうた)さんがInstagramに投稿している、#CinematicHair です。

まるで映画のワンシーンを切り取ったかのような作品が、美容師以外の多くの人からも注目を集めていますが、意外にも「動画はあくまで仕事の一環」とのこと。

そんな野元さんに、仕事との向き合い方、映像制作に携わるようになった経緯や思いを伺いました。

 


 

映像作り未経験なのに「できます!」と挙手したのは、チャンスだったから

 

 

美容専門学校に行く前に一度、大学に通っていたんですよ。1年生の頃、学校の就職課の掲示板を見に行ったことがありました。張り出された就職先のチラシを見て、「このままなんとなく大学に通っていて大丈夫なのかな……」と漠然と不安になったんです。それで考えた結果、何かを作る仕事に就きたいと思って、大学を辞めることに。建築系か美容系で迷ったのですが、2年で卒業できる美容専門学校に通うことに決めました。そんな経緯で美容師になったので、もともと何かものを作ることは好きだったのかもしれません。

 

専門学校を卒業して就職したのは、東京を中心に展開しているファミリー向けのサロンでした。大型ショッピングモールなどに店舗があるので、必死で自己集客しなくても新規のお客さまにたくさん来ていただける環境だったんですよ。なので、サロンワークで子どもから大人までいろいろなお客さまを切る傍ら、個人ではクリエイティブのコンテストに夢中になっていました。フォトコンテストにもたくさん参加しましたし、「業界誌に載りたい」という気持ちも強かったですね。

 

 

映像制作に初めて触れたのもその頃。当時、社内でヘアショーの背景で流す映像を作れる人を募集していたんです。大きな会社だったので、自分から動かないと埋もれてしまうと感じていて、映像なんて作ったことがないのに「できます」と手を挙げたんですよ。当時は今のようにセミナーもなかったので、ほぼ独学。一眼レフなどの機材も自腹で購入したのですが「チャンスに繋がるなら」と思っていました。

その結果、社内では「映像が作れる人」として大切にされるようになりましたね。美容師より映像の仕事が多くなるタイミングもあるくらい。

そんな流れで映像に携わるようになりましたが、ある時、とあるプロの方の作品を見て「これ、自分にもできるな」と思ったことがあったんです。その作品は海外で撮られたものだったので、スケール感は敵わないけど「こういうものを作ってみよう」と思って。そこから、ヘアの表現の一つとしても映像作品を撮るようになりました。

 

 

2年後にそのカメラマンのセミナーに行ったことで、ある程度答え合わせができたんです。「ここはこうやって編集していたのか」とか「あの色はこうやって出していたのか」というのを知って、それまでの自分の経験と合わさって正解が見えたような感覚でした。ちなみに、プロのカメラマン向けのセミナーだったので、参加した人の中に美容師は僕しかいなかったです…(笑)。

 

>映画のように第三者目線でヘアスタイルを見せるCinematic Hairの誕生

 

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