大手サロンを辞め、一発逆転を狙いロンドンへ。留学で得た確かな自信とは?―GARTE ISSEYさんの働く理由

留学後は、成功するつもりしかなかった。ヴィダルサスーンの確立した理論を学び、上達を実感できた

 

 

所属していたサロンを退社して、両親に留学費用を借りてサスーンアカデミーに留学しました。両親は最初、大手サロンを辞めることを心配していたみたいですが、「長い人生だから、一度くらい挑戦してみたい。ダメになるつもりはない、僕の中では成功するつもりしかない」ということを伝えたんです。僕が一度、「やりたい」と言いだしたら、やれるまで「やりたい」って主張し続けることを両親は知っているので、最終的には、「わかった。好きなようにやればいいよ」と言って、費用を工面してくれました。

 

アカデミーには世界各国から生徒がきていましたが、僕がいたのは日本人クラスでしたし、授業中は通訳がいるので、言葉の壁はあまり感じませんでした。授業ではモデルさんがきて、スタイリストと一緒にカットするというのを午前と午後でやっていました。半年間でカットしたモデルさんは150人くらい。最初の3回くらいは座学もあるのですが、そのあとはすべて実習でした。実習では一箇所一箇所、全てにおいて丁寧に教えてくれるので、美容師経験がなくてまったく切れなかった人でも、半年後にはちゃんとカットできるようになります。例えば、「サイドはこうやって切るんだよ。君は反対側をやってごらん」と最初に先生が見本を見せてくれるので、その通りにカットしていったら、「その次、後ろはこう」「次はここ」と、個別指導のように手取り足取り教えてもらえるんです。日本だと完成したカットを見て「ここはこうしたほうがいいよ」とアドバイスをもらうことが多いですよね。しかし、アカデミーでは何かわからないことがあったら、その都度、説明してくれて、その場で修正できます。

 

ヴィダルサスーンの理論は確立していてすごくわかりやすいんです。そして、それを教えられるだけの技術を持った先生が実際に指導してくれるから、まったくカットしたことがない人でも技術を習得できるのだと思います。ヴィダルサスーンと言えば、カットのラインが思い浮かぶ人も多いと思いますが、ラインだけでなくカットの理論も確立しています。そのため、教えてもらった通りにカットすれば、セニングを使わずに、まとまりある髪を作れるんです。

 

留学は正解だったと確信。全国2位を獲得し、技術に自信がつく

 

 

日本に帰ってきて、GARTEに入社しました。ただ最初は、アカデミーで学んだ技術をそのまま日本人の髪に使ったら、めちゃめちゃ膨らんでしまいました。欧米人の髪は、ヴィダルサスーンの技術そのものでカットしただけでいい感じに仕上がるのですが、日本人を含むアジア人には特有の生えグセなどがあって、そのまま使うと膨らんでしまうんです。「これは、なにか対応策を考えなくちゃいけないな」と思いました。ヴィダルサスーンで教えてもらった中に使える技術はたくさんあったので、そういう技術を駆使して、日本人向けに応用してカットしていきました。

 

そんな中で「サスーンスクールシップスタイリスト・ヘアカットコンテスト」に出場したことが大きな自信になりました。このコンテストは、年齢を問わず、ヴィダルサスーンの技術を学んだ理美容師が出場できるコンテスト。そこで全国2位を獲得できたんです。留学したことは間違っていなかったと思えたし、両親にもいい報告ができて、「行かせてよかった」って言ってもらえたのもうれしかったです。

 

>ロンドンで学んだのは、技術だけじゃない! 接客にも生かされているコミュニケーションとは?

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